論文情報
タイトル:Late Gadolinium Enhancement Magnetic Resonance Imaging (MRI) for Predicting Left Ventricular Reverse Remodeling in Non-Ischemic Cardiomyopathy: A Systematic Review and Meta-Analysis
著者: Yuri Teraoka, Shingo Kato, Naofumi Yasuda, Shungo Sawamura, Nobuyuki Horita, Daisuke Utsunomiya
掲載雑誌: J Clin Med. 2025 Jan 29;14(3):895. doi: 10.3390/jcm14030895.
非虚血性心筋症(NICM)において遅延造影MRI(LGE-MRI)は患者の予後を予測する有用性が示されていますが、薬物療法への反応性を予測する能力に関するエビデンスは不十分です。この研究では、薬理療法への反応としての左室逆リモデリング(LVRR)を予測するLGE-MRIの有用性を評価するためのメタ分析を実施しました。
合計13の研究から1092人のNICM患者が分析に組み入れられ、薬物療法後のLVRRを予測するLGE-MRIの能力を評価するため、逆分散ランダム効果メタ分析を用いてプールされたオッズ比を計算しました。左室拡大の有無や左室駆出率(LVEF)(<30%対≥30%)に基づいて患者を層別化するサブグループ分析も行いました。
NICMにおいてLGEの非存在がLVRRを予測するプールされたオッズ比は3.72(95%CI:2.83-4.90、I2 = 0、異質性のP値 = 0.54)で、拡張型心筋症(DCM)とNICMの間でプールされたオッズ比を比較しても有意な差は見られませんでした(p = 0.16)。LVEFに基づくNICMのサブグループ分析では、LVEF<30%の患者(OR: 2.96, 95% CI: 1.80-4.87)とLVEF≥30%の患者(OR: 3.97, 95% CI: 2.97-5.31)の間でオッズ比に有意な差はありませんでした(p = 0.13)。LGE-MRIは左室拡大やLVEF分類に関わらず、NICM患者のLVRRを信頼性高く予測する指標であることが示唆されました。
当科ではリサーチクラークシップをはじめ学生さんの研究指導にも力を入れています。
2025.02.16