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加藤真吾助教らによるHFpEFのMRIによる病態評価に関する論文がJournal of ardiovascular Magnetic Resonanceに掲載されました。

Cardiovascular magnetic resonance assessment of coronary flow reserve improves risk stratification in heart failure with preserved ejection fraction 

Shingo Kato, Kazuki Fukui, Sho Kodama, Mai Azuma, Naoki Nakayama, Tae Iwasawa, Kazuo Kimura, Kouichi Tamura, Daisuke Utsunomiya.  

J Cardiovasc Magn Reson. 2021 Oct 18;23(1):112. doi: 10.1186/s12968-021-00807-3. 

HFpEFは左室駆出率の保たれた心不全(Heart failure with preserved ejection fraction: HFpEF)のことです。左室駆出率の低下した心不全と同様に予後不良な疾患です。最近の報告でSGLT2阻害薬が有効であると報告されましたが、それ以前は有用な治療法がない疾患でした(Anker SD, et al. N Engl J Med. 2021.)。HFpEFの病態生理がはっきりとは解明されていない事が一因です。本研究ではMRIを用いて冠静脈洞の血流計測を行い、心筋微小循環の定量的評価を行いました。その結果、HFpEF患者において心筋微小循環障害が多く認められ、微小循環障害が予後不良因子である事を明らかにしました。“心筋微小循環障害”がHFpEF患者の重要な病態生理の1つである可能性が示唆されました。今後の展望として、本法を用いたHFpEFにおける詳細なリスク層別化やSGLT2阻害薬などの薬物反応性を評価できる可能性があると考えられます。 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34657615/

2021.11.01