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加藤真吾准教授がCOVID-19の心筋障害に関する前向き多施設研究の結果をCirculation Journalに報告しました。

論文情報

タイトル:Myocardial Injury by COVID-19 Infection Assessed by Cardiovascular Magnetic Resonance Imaging – A Prospective Multicenter Study

著者: Shingo Kato, Takeshi Kitai, Daisuke Utsunomiya, Mai Azuma, Kazuki Fukui, Eri Hagiwara, Takashi Ogura, Yuki Ishibashi, Taiji Okada, Hiroki Kitakata, Yasuyuki Shiraishi, Shunsuke Torii, Koichi Ohashi, Kazufumi Takamatsu, Akihito Yokoyama, Ken-Ichi Hirata, Yuya Matsue, Koichi Node

掲載雑誌: Circulation Journal

DOI: 10.1253/circj.CJ-23-0729

・背景

 COVID-19感染による心筋障害の頻度は低くなく、合併した場合には予後不良と関連するというデータがあります。心臓の磁気共鳴画像(Cardiovascular magnetic resonace: CMR)は心筋の組織性状評価に優れ、壊死、線維化、浮腫などの微細な心筋障害も評価可能です。この研究は日本循環器学会、日本呼吸器学会の主導のもと、本邦におけるCOVID-19感染による心筋障害の頻度、パターンを明らかにするために行われた前向き多施設共同研究です

・方法

 日本国内の7つの病院にて、中等度から重度のCOVID-19に罹患された505名の患者さんを前向きにスクリーニングしました。その中から、入院時または退院後3カ月における血清トロポニン濃度やB型ナトリウム利尿ペプチド濃度の上昇により、心筋障害が疑われる31名の患者さん(平均年齢63.5歳、男性23名)に対し、退院後3カ月にCMR検査を施行いたしました。本研究における主要な評価項目は、以下のいずれかに該当する心筋障害の頻度と定義しました:1) 遅延造影MRIにおける左心室もしくは右心室の心筋の造影増強、2) 左心室もしくは右心室の機能障害(それぞれLVEF50%未満およびRVEF45%未満で定義)、3) 心膜の肥厚や造影効果。

・結果

 診断からCMR検査までの平均期間は約117日であり、主要評価項目は、対象となった31名中13名(42%)にて認められ、8名(26%)が急性心筋炎の診断基準である改訂版Lake Louise Criteriaを満たしました。

・結論

 本研究は本邦におけるCOVID-19の心筋障害の頻度、パターンをCMRを用いて示した初の多施設共同研究です。中等度から重度のCOVID-19に罹患し、かつ心臓バイオマーカーに異常所見を示す患者さんにおいては、CMRによって確認される心筋傷害の発生率が高いことが明らかになりました

2024.05.23