【症例報告】JACC: Case Reports に掲載されました
“Atrial Septal Defect With Right-to-Left Shunt Without Pulmonary Hypertension: Diagnosis Through Multimodality Imaging”
（JACC: Case Rep. 2025 Jun 25;30(16):103853）
Ryusuke Sekii, Shingo Kato, Naoki Nakayama, Kazuki Fukui, Masanori Ito, Tae Iwasawa, Masaaki Konishi, Daisuke Utsunomiya, Kiyoshi Hibi
■ 概要
肺高血圧を伴わない右左シャントを呈した心房中隔欠損（ASD）の一例に対し、4次元フローMRI（4D flow MRI）を含む多角的画像診断を活用して、詳細な病態評価と診断に成功した症例を報告しました。
■ 症例のポイント
84歳女性、持続性低酸素血症にて精査
CT血管造影で高度な大動脈蛇行が右心房を圧迫しており、これが持続的右左シャントの原因と推定
4D flow MRIにより、Qp/Qs比 0.61と右左シャントを定量化、カテーテル検査結果と一致
仰臥位でも右左シャントが持続しており、典型的なPlatypnea-Orthodeoxia症候群とは異なる機序が示唆された
■ 意義
加齢に伴う解剖学的変化、特に大動脈の蛇行が心腔に及ぼす影響により、肺高血圧がなくとも右左シャントが生じうることを示した貴重な症例です。4D flow MRIをはじめとした先進的画像診断技術の有用性が改めて確認されました。
2025.07.14