冷蔵庫のうえの人生 -Life on the Refrigerator Door-
アリス・カイパース著 八木明子訳 文藝春秋 2007
産婦人科医である母親と、15歳の娘クレアは二人暮らしです。
多忙な母親とクレアとの会話は、ほとんどが冷蔵庫に貼ったメモ。
買い物リスト、おこづかい、試験の報告…
日々の小さなやりとりに仲の良さが伺えます。
そこに影を落としたのが、母親の胸に見つかった小さなしこり。
母親はできれば心配をかけたくないと考え、クレアはきちんと話してほしいと願います。
けれど、なかなか話す機会がありません。
顔を合わせられないことでつのる苛立ちと、押さえきれない動揺、悲しみ、そして愛情が、たった数行のメモから伝わってきます。メモだけで構成される、母娘の物語。
どうぞお手に取ってみてください
プレゼンター:井元 有里(逗子市立図書館 司書)