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日本麻酔科学会 第66回学術集会 後期研修医体験記

横浜市立大学麻酔科の二年目後期研修医です。

 

2019年5月30日から6月1日の三日間、神戸で行われた日本麻酔科学会第66回学術集会にて演題発表をさせて頂きましたので報告させて頂きます。

 

『高血圧患者における長時間開腹手術の影響に関する後ろ向き研究』というテーマで発表させて頂きました。降圧薬内服をしていて術前血圧が正常範囲の患者と健常者は、術中血圧は同様の管理で良いとされていますが、長時間開腹手術でも本当にそれでいいのかというクリニカルクエスチョンを検討しました。患者カルテや麻酔記録から必要な情報を約9年分遡り、約350人程度のデータ収集を行い、得られたデータをもとに統計解析を行い、解析結果をもとに考察を行いました。結果は確実なことは言えませんでしたが、長時間開腹手術において降圧薬を内服していて術前血圧が正常範囲の患者は、健常者よりも術中高い血圧で管理する必要がある可能性があることが示唆されました。周知の事実が、自分の研究により覆り、術中管理方法が変わる可能性があることは、非常に凄い事であると思いました。

 

今回、学会発表は初めてであったため、上級医の先生方の指導を受けながら準備を行いました。綿密な打ち合わせや予演会を行い学会当日を迎えました。当日は、ポスター発表後、質疑応答の時間があり、座長やフロアから想定外の質問がいくつかありましたが、何とか答えることが出来ました。初めての学会発表で非常に緊張しましたが、発表後の達成感は大変であった分、非常に大きいものがありました。今後は今回学会で発表した内容を上級医の指導の下、英語論文にしたいと考えております。