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EDRA合格体験記

 

今回EDRAに合格しましたので報告いたします。
EDRAはEuropean Diploma in Regional Anesthesia and Pain Managementの略で、ヨーロッパ区域麻酔学会認定医の資格です。日本人の取得者は10人程度と少なく、また神経ブロックのエキスパートの方が取得していることもあり、自分にとって憧れの資格でした。
EDRAは筆記試験であるpart1と口頭試験であるpart2に分かれています。Part2はpart1に合格しないと受験することができません。私は昨年度のヨーロッパ区域麻酔学会でpart1に合格し、今年度part2を受験してきました。EDRAを受験するためにはヨーロッパ区域麻酔学会のワークショップにまず参加する必要があるため、年1回の学会参加の場合、取得まで最短で3年間かかります。運良く3年で合格することができたのは幸いでした。
EDRA part1は1問の中に5個の問題文がありそれぞれの正誤を答えるものが100問、計500個の正誤問題です。参考の問題集はありますがその通りの問題は出ないため区域麻酔に関する網羅的な理解が必要になります。
EDRA part2は口頭試験で、ランドマークでの末梢神経ブロック、超音波ガイド下での末梢神経ブロック、症例検討、区域麻酔の合併症の4つのセクションがあります。各セクション10分の時間で、2人の試験官が適応、禁忌、トラブル時の対応などを質問し、それに答えていく形式です。同じ部屋にモデルもおり、モデルでの手技の説明や、エコーでの描出、説明も行いました。
日本語で分かっていることと英語で説明することは別物であり、試験官に自分の意図したことを上手く伝えられなかったり、普段使用していないエコーを用いての描出にも苦戦したりと、正直試験を受けての手応えはよくありませんでした。しかし、加点方式であるという噂を信じてとにかく一生懸命話し続けたのが合格につながったのかなと思います。
EDRA取得は自分にとってゴールではなくスタートであり、今後も医局での神経ブロックの臨床、研究、教育に邁進していきたいと思います。
演題を指導して頂いた後藤先生、忙しい業務の中海外学会に参加させて頂いた大学のスタッフの皆様に感謝します。

横浜市立大学附属病院麻酔科
菊池 賢