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2019年度 横浜市立大学大学院 優秀論文賞受賞

“Effects of vasopressin on a model of pulmonary hypertensive crisis induced by acute hypoxia in rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension”

Sugawara Y, Mizuno Y, Oku S, Goto T

British journal of anaesthesia   122(4) 437-447   2019

2019年度の横浜市立大学大学院 優秀論文賞を受賞したこと、大変光栄に思います。ご指導いただいた後藤隆久教授、水野祐介准教授、研究室の皆様、研究に専念できる機会をいただいた医局員の皆様に感謝いたします。

受賞研究の内容は、症例の性質上質の高い臨床研究が困難である肺高血圧クライシス(PHC)に対して、世界で初めてPHCの循環動態を再現したラットモデルを作成し、昇圧薬としてのノルアドレナリン、フェニレフリン、バソプレッシンを比較検討することで、バソプレッシンが有用であることを示した研究となります。この研究結果により、経験的に行ってきたPHCの治療に実験的根拠を提供し、治療戦略の確立に必要な基礎データが提供可能となりました。本研究は、臨床的なPHCの治療戦略について、橋渡し的研究としての位置づけなり、臨床研究を行う上での基礎的な根拠となると考えられます。

私は臨床(麻酔、集中治療)を10年経験したのち、基礎実験の経験がない状態で大学院へ入学しました。実験原理の理解から始まり、論文の収集・読解、動物モデルの作成、データの取得・解析、論文作成まで臨床のみでは経験できないことをたくさん学ぶことが出来ました。ご指導いただいた皆様には大変感謝いたします。

今後も研究を続けていけるように努力いたします。大学院・基礎研究に興味のある方は一度見学に来ていただければと思います。皆様と一緒に研究できる日が来ることを願っております。

菅原 陽