エピジェネティクスの精密な分子基盤の探究から、生殖細胞発生・不妊・環境要因の影響解明まで、多階層な研究を展開しています。
真核生物のゲノムDNAは、ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いた「ヌクレオソーム」を基本単位とするクロマチン構造を形成しています。
このDNAやヒストンに対する化学修飾(DNAメチル化やヒストンメチル化・アセチル化など)は、DNAの塩基配列そのものを変えることなく、遺伝子のON/OFFを精密に制御しています。この現象は「エピジェネティクス」と呼ばれ、細胞が分化し固有の性質を維持するために不可欠なシステムです。
当研究室では、これらの修飾がどのような分子機構によって書き込まれ、読み取られ、あるいは消去されるのか、そしてそれがクロマチン構造の変化や転写制御にどう結びついているのかを詳細に解析しています。
エピジェネティックな調節機構の破綻は、発生異常やさまざまな疾患の引き金となります。特に、次世代へと遺伝情報を継承する「生殖細胞(精子や卵子)」の形成過程や初期胚の発生においては、大規模なエピゲノムのリプログラミング(再構成)が行われます。
このリプログラミング機構の異常は、配偶子形成不全による不妊症や、受精後の初期胚致死などの重篤な発生異常に直結します。
私たちは、モデル動物(マウス等)や生殖細胞系列を用いて、エピゲノム関連因子の機能不全がなぜ精子形成不全や不妊、受精卵の発生停止を引き起こすのか、その分子病態の解明を目指しています。
エピゲノム修飾は強固に維持される一方で、栄養状態、温度、化学物質への暴露、ストレスといった「外部環境の変動」に敏感に応答するという特徴を持っています。
環境ストレスによって引き起こされたエピゲノム異常は、幹細胞の自己複製能や正常な細胞分化のバランスを狂わせ、組織の恒常性を損なう原因となります。さらに、生殖細胞系列で生じたエピゲノムの変化は、世代を超えて子孫の健康や形質に影響を及ぼす可能性も注目されています。
私たちは、多様な環境要因が細胞内のシグナル伝達を介してどのようにエピゲノムを変化させ、細胞分化の異常や疾患リスクへと繋がるのかを探究しています。
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教員、技術員、大学院生が一体となって研究に取り組んでいます。
研究室の概要、所在地、ならびにお問い合わせ窓口のご案内です。
| 教室名 | 横浜市立大学 大学院医学研究科・医学部 組織学教室(旧第1解剖) |
|---|---|
| 住所 | 〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9(福浦キャンパス) |
| 教授 | ---- |
| 専門分野 | 解剖学、組織学、エピジェネティクス、生殖細胞、細胞生物学など |
| 主要技術 | 超高分解能顕微鏡(STED)、電子顕微鏡(TEM / SEM)、次世代シークエンサー遺伝子・エピゲノム解析(ChIP-seq, RNA-seq, BS-seq, シングルセルマルチオミクス)、幹細胞培養など |
| 教室員数 | 教員3名、職員等4名、大学院生・学生多数 |
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