研究紹介

Ⅰ.健康長寿にむけた地域づくりとヘルスプロモーションに関する研究

人口構造、世帯構造、疾病構造、社会経済、人びとの意識や価値観等が大きく変わる中で、人びとが生涯を通じて健やかに生活し、老いることができる健康長寿社会の実現は今日の重要課題です。そこですべての人々の健康長寿を目指し、予防を重視した新たな方策・技術の開発に取り組んでいます。

高齢者における健康長寿に向けたプログラム・システム開発に関する研究

高齢期は、社会生活や役割に変化が生じるとともに、身体的不調や病気を持ちながらも、いかに健やかに日常生活を過ごし老いることができるが課題となる時期です。そこで高齢期の人々の健康課題の予防、社会生活や役割の維持に向けた方策の開発を行っています。

【主なテーマ】
  • 地域特性に応じた高齢者の社会的孤立予防方策の開発と評価
  • 地域における多世代交流のプログラム・システムの開発と評価
  • 健康長寿にむけたポピュレーションアプローチ・ハイリスクアプローチの開発と評価

地域における子育て支援や子ども虐待予防に関する研究

すべての人々が心身ともに健やかに生まれ、育まれ、その生活を保障される地域社会を目指し、地域における子育てや子どもを支援する新たな知見や方法を探求しています。

【主なテーマ】
  • 地域における子育て支援のあり方や新たな方策の開発
  • 養育者(母親)の社会的孤立・孤独感の予防・軽減に向けたプログラム開発と評価
  • 児童虐待予防を目指した保健師活動の明確化と個別支援ツールの開発

壮年期における保健活動(健康づくり)の推進に関する研究

壮年期は心身ともに円熟し、社会や家庭における役割や活動が充実する時期ですが、それと同時に自分自身の健康に目がむきにくくなる時期でもあります。そこで壮年期の人々に生じやすい健康課題の予防に向けた視点や保健指導技術の検討を行っています。

【主なテーマ】
  • 壮年期におけるロコモティブシンドローム・メタボリックシンドロームの予防方策の開発
  • 壮年期における生活習慣病予防とメンタルヘルスに関する検討

Ⅱ.質の高い在宅療養支援と地域ケアシステムにおける研究

保健医療福祉制度の改革が進むわが国において在宅療養支援は焦眉の課題です。在宅療養者・児とその家族の住み慣れた地域における、質の高い療養生活の支援や看取りについて探求しています。

在宅緩和ケアにおける家族介護者のQOL向上を目指すケアシステム構築に関する研究

住み慣れた地域において最期を迎える療養者と家族介護者双方の質の高い看取りの実現に向け、療養生活を支える家族介護者のQOL向上を目的としたケアプログラム、ならびにケアシステムの開発に取り組んでいます。

【主なテーマ】
  • 在宅終末期がん療養者の家族介護者のケアシステムにおける評価指標の開発
  • 在宅緩和ケアにおける介護日記法を用いた家族ケアプログラムの開発と評価

地域在住高次脳機能障害のある方の家族介護者の生活を支える技術に関する研究

地域で暮らす高次脳機能障害のある方を身近で支えるご家族が健康でよりよい生活を続けていくために、高次脳機能障害者のある方の介護を担うご家族を対象とした革新的な支援・プログラムの開発に取り組んでいます。

【主なテーマ】
  • 成人期高次脳機能障害者の家族介護者における生活変化への適応評価尺度の開発
  • 地域在住高次脳機能障害者家族介護者のライフチェンジ適応促進支援プログラムの開発と評価

Ⅲ.地域看護学・公衆衛生看護学における教育方法の開発と評価に関する研究

地域の健康上の顕在的、潜在的課題を明らかにするとともに予防または解決し、より良い方向に導く地域診断(地域看護診断)は、地域看護学における重要な概念であり、技術です。そこで本概念の洗練化や方法論の確立にむけて、教育プログラムの開発も含めて取り組んでいます。

【主なテーマ】
  • 保健師・看護師の基礎教育における地域看護診断教育プログラムの開発
  • ICTを導入した地域看護診断の理論化ならびに方法論の開発
  • 地域看護診断に基づく災害時の健康危機管理プログラムの開発