横浜市立大学病院150周年記念イベント報告

2022年10月1日(土)、横浜市立大学病院の創設150周年記念イベントを横浜市金沢公会堂にて開催しました。
イベントには、山中竹春横浜市長をはじめ、横浜市会議長、横浜市医師会会長などのご来賓の方々にご臨席を賜りました。さらに多くの市民、市会議員、医学部後援会、卒業生、横浜の医療関係者など約200名にお越しいただいたほか、オンラインでも多数の方々にご覧いただきました。ここでは、イベントの内容の一部を紹介します。

横浜市立大学学長 相原 道子 開会の挨拶


横浜市立大学学長 相原 道子

イベントは、横浜市立大学学長 相原道子からの挨拶でスタート。10月に入ったにも関わらず気温が30℃近くまで上がる暑さのなかでご出席いただいた皆様にお礼を述べるとともに、新型コロナウィルス感染拡大のために1年遅れでイベントを開催する運びになったことの説明、無事に開催ができたことへの感謝を伝えました。

相原学長が「横浜市立大学はこれまで優秀な医療人材を育成し続けてきました。その卒業生たちが、現在市内に1083名、市外・県外も合わせて2017名の常勤医師と1096名の非常勤医師が地域の病院で活躍しています。これからも本学が皆様に支えられていることに感謝し、附属2病院は市民の最後の砦として高度で良質な医療を提供し続けていきます」と述べると会場からは温かい拍手があがりました。

祝電

会場には祝電も届きました。横浜市会議員 遊佐大輔様、横浜市立みなと赤十字病院院長 伊藤宏様、大和市立病院院長 矢尾正祐様、そして元内閣総理大臣 菅義偉様からのものです。
会場では菅様からの「横浜市民の命と暮らしを守るためにご尽力されてこられた皆様に、心から感謝と敬意を表します。また新型コロナ対策においては最前線でご協力を重ねてくださったことに心よりお礼申し上げます。150年という歴史は何よりの信頼の証です。この信頼を自信にして新たな価値に挑戦され、横浜市立大学病院がますます発展されますことを祈念いたします」という感謝と激励のメッセージが披露されました。

横浜市立大学理事長 小山内いづ美 式辞


横浜市立大学理事長 小山内いづ美

横浜市立大学理事長 小山内いづ美から式辞として、横浜市立大学病院の歴史と近年の活動を紹介。早矢仕有的氏が地元の財界人に働きかけて病院を建設するための費用を集めたことや、コレラや天然痘との戦い、関東大震災を乗り越えたこと、そして率先して人を救う使命感が現代にも受け継がれてきた結果、新型コロナウィルスにも最前線で対応できたことを伝えました。

「横浜市立大学病院では、2020年2月、ダイヤモンド・プリンセス号で罹患した重症患者を率先して受け入れ、その後も神奈川モデルの確立に寄与。他の医療機関では対応が困難な患者を受け入れ、地域医療機関との連携を進めてまいりました。また大規模ワクチン接種会場へ医師・看護師・薬剤師を派遣し、2021年12月に開設したコロナ専門病院に開設の準備段階から携わるなど、これまで医療従事者を延べ1500人以上派遣してきました」。
また、最先端の医療提供にも取り組んでいることにも言及。横浜市立大学が150年という時間にわたり、市民の医療に尽くしてきたことを改めて伝えるとともに活動を支え続けてくださった方々への感謝を述べました。

来賓挨拶


横浜市長 山中竹春 様

式典では横浜市長 山中竹春様、横浜市会議長 清水富雄様、横浜市会副議長 髙橋正治様、横浜市医師会会長 水野恭一様、医学部後援会会長 佐藤祐文様が来賓としてご登壇。そのほかにも大勢のご来賓の方にご臨席いただきました。

来賓祝辞として、まずは横浜市長 山中竹春様より「いつも横浜市の地域医療を支えていただきまして本当にありがとうございます。医療の環境が大きく変化をしているなか、横浜市立大学病院が果たすべき役割はますます重要なものになってきています。横浜市も他の地域に漏れず人口減少社会へと突入しましたが、私たちは横浜の未来を担う次世代を育みながら、持続可能な市政運営を目指していきます。今後とも皆様と手を携え、横浜の未来を切り開いていきましょう」とご挨拶をいただきました。

つづいて横浜市会を代表して、議長の清水富雄様から「150周年、誠におめでとうございます。長きにわたり、横浜の地域医療を支えてくださったこと心から感謝申し上げます。個人的にも深い繋がりを感じている病院が記念すべき年を迎えられたことをうれしく思います。これから横浜市立大学病院と医学部を統合していくにあたっては、ご苦労も多いことと思いますが、医療における砦として引き続き横浜市民の健康を支えていただきたいと思います」との暖かい励ましのお言葉をいただきました。

また横浜市医師会会長の水野恭一様からはお祝いの言葉とともに、横浜市立大学医学部が先進的な研究を進めるとともに数々の医療人材を育成していることや、地域と連携し高度な医療を提供していることへの感謝の言葉をいただきました。ダイヤモンド・プリンセス号における重症患者の受け入れなど新型コロナウィルスに対して最先端で診療に臨んだことなどについては「横浜市立大学の医療従事者が、未曾有の事態に対しても先陣を切って邁進してくださった姿に勇気づけられた医療者は少なくありません」と賞賛の言葉をお寄せくださいました。


左より、林宏優様、大野泰正様、相原道子、
遠山愼一様、小山内いづ美

左より、清水富雄様、高橋正治様、
水野恭一様、佐藤祐文様

動画上映

イベント内では150周年のあゆみを紹介する動画を上映。横浜開港の歴史において、横浜市立大学病院が重大な役割を果たしてきたことをお伝えしました。
動画上映に先立ち、副学長 遠藤格は「歴史を鑑み、横浜市立大学がこれから2つの病院を統合していくにあたり、どのような機能をもち、どのように市民の皆様を支えていくのか改めて深く考えていきたい」と挨拶。歴史を振り返るとともに、未来への決意を新たにしました。

動画はこちら 

また上映後には早矢仕有的 顕彰会会長の大野泰正様より「早矢仕有的が病院を設立した150年前の思いをしっかりと受け継いで、さらに次の大きな一歩を踏み出そうとされている皆様に心から敬意を表します。一昨年のダイヤモンド・プリンセス号の件については、どこか黒船来航に重なる部分があります。今後も海外との往来が増えるにつれ、新しい感染症は増えていくでしょう。それをこの地でしっかりと対応してくださるということは日本の未来の安全安心につながっていくことと思います」とご挨拶をいただき、会場は温かい拍手で満ちました。
また、早矢仕有的の出身地である岐阜県山県市長の林宏優様のご紹介もありました。

記念対談 パネルディスカッション~横浜に感謝、そして横浜と医療の未来に向けて~

イベント後半には横浜および本学に関連するゲストをお迎えしての記念対談を執り行いました。
以下に対談の内容を紹介します。

パネルディスカッションページへ 

閉会の辞


横浜市立大学医学部医学科同窓会
(倶進会)会長遠山 慎一

閉会にあたっては横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会の会長 遠山愼一より挨拶がありました。「本当はもっとたくさんの方々とこの記念すべき時をお祝いしたくはありましたが、新型コロナが蔓延するなかではこれが精一杯でした。それでも皆様とともにこのような機会を持てたことをうれしく思います。今、Times Higher Education というイギリスの雑誌によれば、横浜市立大学は日本で7番目にレベルの高い大学ということになっています。これは学問の質が高いことはもちろん、臨床の方々が頑張って素晴らしい論文を次々と発表されているからこその評価だと思います。これからも皆々様で手をとりあって世界に誇れるすばらしい大学にしていってください。また横浜という街にも貢献し、よりよい街にすることで人を集め、資金を集め、さらにいい大学へと発展させていただければと思います」と述べると会場からは大きな拍手があがり、イベントは閉会となりました。

ご協力いただいた皆様、ご臨席および閲覧いただいた皆様のおかげで横浜市立大学病院150周年イベントは素晴らしい式典となりました。
横浜市立大学病院は、これからも地域医療の最後の砦として、市民の皆様によりよい医療をお届けするために関係者が一丸となって邁進していきます。