医学部・附属病院の再整備構想について

横浜市立大学の附属2病院、「附属病院」および「附属市民総合医療センター」、そして横浜市立大学医学部は、大学病院として高度でかつ先進的な医療の提供や市民の生活を守るための救急医療、災害時医療等を提供するとともに、質の高い医療人材の養成・輩出など、市民の健康と命を支える「最後の砦」として様々な役割を果たしています。

一方、附属病院や附属市民総合医療センターの救急棟(高度救命救急センター等)、また医学部校舎は、建物・施設の竣工から30年以上が経過して、狭あい化・老朽化が進んでおり、最新医療の提供や学生教育等に支障をきたすなどの課題が生じています。

こうした課題を抜本的に解決し、年々変化してる医療を取り巻く環境へも適切に対応して、将来にわたり市民の健康と命を支える「最後の砦」としての存在であり続けるために、現在、横浜市立大学と横浜市が一体となって附属2病院と医学部及び研究施設等の再整備計画について検討を進めています。

これまでに、横浜市立大学が「再整備構想案(令和元年度)」を策定し、横浜市が市民意見を募集した上で「再整備構想(令和2年度)」を策定しました。これらを踏まえ、令和3年度からは、横浜市立大学と横浜市が一体となって、「再整備基本計画(令和5年度策定目標)」の検討を開始しました。

現時点では、「最高の医療・医学研究・人材育成拠点へ ~横浜の丘からみらいへ発信し続ける大学」を全体ビジョンとして掲げ、附属病院(福浦地区)と附属市民総合医療センター(浦舟地区)を統合して1,000床程度の大学附属病院を、医学部・研究施設等(福浦地区)と併せて一体的に、根岸住宅跡地へ移転再整備を行う事業計画としています。

また、「再整備基本計画」は、単なる施設の移転再整備の検討ではなく、未来の市大病院・市大医学部等の医系の方針・在り方を示した、総合的な「将来計画」として検討を進めています。

今回計画している、同規模の大学附属病院を対等に統合し再整備することは、おそらく日本で初となる一大事業で、構想から、計画、設計、工事を経て、新病院・新医学部等が完成するまでには、構想から10年以上の歳月を必要とする計画となります。

根岸住宅地区の返還時期及び土地区画整理事業の進捗状況により、再整備事業の全体スケジュールは前後しますが、令和15年度の開院・開設を一つの目標として取り組んでいます。