現在の附属2病院と医学部

横浜市立大学附属病院
674床(一般 612床、精神26床、結核16床、臨床試験専用 20床)

平成3(1991)年7月に浦舟町から移転・開院(初代病院長:澤木修二)した現在の横浜市立大学附属病院は、高度急性期病院及び特定機能病院として、高度でかつ安全な医療を提供するとともに、医療技術の開発や質の高い医療人材の育成を行う神奈川県で唯一の公的医育機関附属病院です。
厚生労働省認定の「地域がん診療連携拠点病院」、横浜市「小児がん連携病院」「認知症疾患医療センター」、神奈川県認定「エイズ治療中核拠点病院」「災害拠点病院」「肝疾患診療連携拠点病院」「神奈川県難病医療連携拠点病院」、WHO(世界保健機構)認定「赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital)」など、各診療領域で高度先進かつ総合的診療機能を持った病院として診療を実施しています。
また、日々進歩するロボット手術や内視鏡手術に加え、がんゲノム診断による治療の可能性の拡大や遺伝子診療科による先天性疾患の診断、未診断疾患イニシアチブ事業(IRUD)によるこれまで診断がついていない重症・難治性疾患の診断など様々な新しい医療を推進しています。

横浜市立大学附属病院

横浜市立大学附属市民総合医療センター
726床(一般 676床、精神 50床)

横浜市立大学附属市民総合医療センター

平成3(1991)年の移転に伴い、従前の病院は横浜市立大学医学部附属浦舟病院に改称し、その後の再整備事業等へ経て、平成
17(2005)年の公立大学法人化時に横浜市立大学附属市民総合医療センターに改称、現在に至ります。
「市民の皆様に信頼され『地域医療最後の砦』となる病院を創造する」ことを基本理念として、「高度救命救急センター」「総合周産期母子医療センター」「精神科救急医療施設」「肝疾患診療連携拠点病院」「地域がん診療連携拠点病院」などの役割を担う地域密着型の病院であり、患者さんの意思を尊重し、安全・安心な医療を提供しています。
令和2(2020)年1月には、日本医療機能評価機構の「一般病院3」の認定を神奈川県内で初めて、特定機能病院以外では全国で初めて受けました。また、「遺伝子診療科」「がんゲノム診療科」の新設や、大型かつ最新鋭の医療機器にも対応できる手術室を含む計3室の増設及び手術支援ロボットの3台同時導入など、高度急性期機能の向上に取り組んでいます。

明治時代の草創期における市大病院が、コレラ流行を抑えることに力を尽くしたように、令和2(2020)年2月の横浜港へのクルーズ船着岸以降、国内外での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に対応しました。
附属病院では、人工呼吸器の導入を必要とする重症例や神奈川県内における周産期、透析を必要とするコロナ患者の受入医療機関として、また、附属市民総合医療センターでは、体外式膜型人工肺(ECMO)を必要とする重症例や小児、周産期、精神疾患のコロナ患者受入医療機関としての役割を担い続けています。

現在の医学部(医学科、看護学科)

横浜市立大学医学部は、地域社会や国内外で活躍できる、医学・看護を担う人材育成と、創造的研究により社会の発展と人類の福祉に寄与する事を使命としています。医学部には1学年90名定員の医学科と1学年100名定員の看護学科、及び定員131名の医学研究科があります。
医学科の目標は、豊かな人間性と深い知性を有し、確固たる倫理観に基づく総合的判断力を持ち、生涯にわたって研鑽を続け、医学・医療を通して人類の福祉に貢献する人材の育成です。医学科の特徴としては、シミュレーターの活用等による医療体験教育の充実や研究実習(リサーチ・クラークシップ)と参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)の推進などがあります。
看護学科の目標は、高い教養と専門性だけではなく、他者の苦しみや痛み、喜びも理解する事ができるような豊かな人間力を持ち、未来の看護をけん引できるリーダーの育成を目指し、取組んでいます。看護学科の特徴としては、エビデンスに裏打ちされた実践力を養うカリキュラムやクラス担任制をはじめとするきめ細やかな指導体制などがあります。

現在の医学部

1年次は八景キャンパスで共通教養教育を学び、福浦キャンパスにて2年次以上の専門教育を展開していて、高学年では附属する2つの病院とも連携し人材育成に大学全体で取り組んでいます。また、国家試験対策も充実していて、直近の5年間平均の合格率は医師国家試験96.8%、看護師国家試験99.0%と高い実績を維持しています。
さらに、コロナ前は34名と多くの学生が海外へ留学しており、既存のYCUのネットワークを生かし世界トップレベルの大学・機関への派遣プログラムを開拓しています。コロナ禍においてもオンラインで留学体験プログラムを積極的に展開しています。
医学部の源流は150年前(明治4年)に設立された横浜仮病院まで遡ります。横浜市立大学病院が多くの困難を乗り越える歴史と並行し、看護学科の前身である看護婦養成所が明治31年に設立され、医学科の前身である横浜市立医学専門学校が昭和19年に設立されました。このように長い歴史と多くの市民の方に支えられ今日の横浜市立大学医学部へと発展を続けてきています。