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第7回ブタwet lab USPNB+α編 体験記

第7回ブタwet lab USPNB+α編に参加させていただいたのでその報告をさせていただきます。今回は主に以下の4項目を体験いたしました。

   

1)全身麻酔下のブタを用いたエコーガイド下穿刺

四肢&体幹 神経刺激装置による神経同定法

2)LAST(局所麻酔中毒)モデルとリピッドレスキュー

3)気胸モデルと気胸エコー診断

4)経皮的気管切開

   

もともとこの案内を頂いた時は何か+αとも書いてあり、専攻医1年目の自分にはハードルが高すぎるのではないか、果たして参加しても理解が出来るのだろうか不安もありましたが,日々の忙しい臨床の中で腰を据えて末梢神経ブロックを学ぶ時間もなかったので思い切って応募させていただきました。

結論から述べると専攻医1年目の私でも充分に勉強かつ満足できる内容でした。

   

まずエコーガイド下穿刺のセクションでは針の持ち方、描出の仕方、針がエコーに上手く乗らない時の原因と解決法、プローブの持ち方や力のかけ方などを丁寧に教えていただきました。どれも基本的な事項ですが自分のクセがついておりそれを直し、繰り返し練習します。クセというのは恐ろしいもので,分かっていてもすぐに直すのは難しいものです。同じブロックをひたすら繰り返し、クセを修正させます。このように短時間の間にひたすら集中的に繰り返すというのは,日々の臨床の実践では簡単ではありません。病院に戻ってから早速自分の癖を意識し修正させ実践しております。

   

お昼休憩を挟み局所麻酔中毒、気胸エコー、経皮的気管切開のセクションに移ります。

局所麻酔中毒のコーナーでは実際に豚に極量の局所麻酔を投与し,そこから脂肪製剤を使いレスキューします。モニターの波形を見ながらバイタルの変化を確認します。概念や中毒が起こった時の対策は知っているつもりでも、一度体験したことがあるとないでは大違いです。

続いて気胸エコーです。研修医の時こそ気胸の患者さんにエコーを当てる機会はありましたが,専攻医になってからは経験がありませんでした。lung slidingやlung pulseなど知識を確認する良い機会となりました。

   

最後に経皮的気管切開です。これは初体験でした。気管切開セットと気管支鏡を使い実際に切開を行いチューブ留置します。気管支鏡で位置を確認すると深く入りすぎていたり、出血が多くなったりとトラブルにも見舞われましたがこれらは実際に経験したからこそ、もし自分がその場面に出会したときは間違いなく今回のことが思い出され注意するポイントになると思います。

   

このように日々やってはいるが自分のクセが身についてしまっているもの、経験はしたことがあるが時間が経ってしまっているもの、概念は知っているが体験したことがないもの、この3つを学習するのに非常に良い機会となりました。このようなoff the job trainingがあればまたぜひ参加したいと思います。

   

最後にご指導頂いた南共済病院のインストラクターの先生方、協賛企業の関係者の皆様、そして豚さんに心から感謝致します。ありがとうございました。 

   

横浜市立市民病院麻酔科 専攻医1年目 亀山雄平

   

参加者写真