2024年度箱根セミナーを振り返って
2024年秋、紅葉が見頃の季節に、ザ・プリンス箱根芦ノ湖にて、麻酔科医局主催の箱根セミナーが6年ぶりに開催されました。このセミナーは初期研修医や医学生を対象とし、講義、高度医療機器の実体験、そして実践的な手技練習を通じて学びを深める貴重な機会です。今年は述べ40名の若手の先生方が参加され、医局員を合わせると80名近くが集うビッグイベントとなりました。
今回は実行委員長である同期の菅沼先生を中心に、多くの医局員が一丸となって運営に取り組み、セミナーを成功に導きました。COVID-19の影響もあり、2018年を最後に中断していた箱根セミナーが、再び開催される運びとなったのは、多くの医局員の尽力の賜物です。開催地のザ・プリンス箱根芦ノ湖は、モダニズム建築の巨匠・村野藤吾氏が設計したことで知られるホテルであり、歴史と景観がセミナーに特別な彩りを添えました。
初期研修医や医学生にとって、普段は触れることの少ない高度医療機器に直接触れ、超音波診断装置や呼吸器などを操作し、時には自分自身に機器を装着し、その活用法を学ぶセッションは非常に有意義だったのではないでしょうか。また、ウェットラボと称する実習では、ブタの臓器を用いて解剖学や生理学を体験的に学び、気道確保や輪状甲状間膜穿刺などの手技練習も行われ、臨床現場での実践力を養う場となりました。
懇親会では講師や参加者が美味しい料理と沢山のお酒とともに親睦を深め、温泉では疲れを癒すことができました。
諸先輩方から聞くところ、箱根セミナーでは2次会のあとも各ホテルの部屋で夜通し宴会が続くのが通例となっており、翌朝に二日酔いのスタッフが散見されるのも本セミナーの風物詩のようです。まさに大人の修学旅行。これを求めて参加する医局員も沢山おり、上級医の先生方の熱狂ぶりには圧倒されました。
私は6年前に開催された箱根セミナーに参加した初期研修医のひとりだったのですが、呼吸器で破裂寸前まで膨らむブタの肺にハラハラしたり、学んでも学びきれない大量の知識に圧倒された当時の体験を懐かしく思い出すことができました。私にとって箱根セミナーは初期研修医時代の良き思い出であり、また自分の麻酔科医としてのキャリアを形作る大きなきっかけとなりました。そして今回、少しでも同じような刺激と学びを若い先生方にも届けたいという思いで、運営の一端を担わせていただきました。
今回のセミナーを通じて、参加者の先生方の多くが「学びが深まった」「楽しかった」という感想を寄せており、実行委員の一員としても大変うれしく思っております。また、講師を努めてくださった上級医の先生から若手の後輩、何より同期の様々なところでの助けがあり、改めていいチームだと感じることができました。
日頃から支援いただいている医療機器メーカー様をはじめ、多くの方々の協力のおかげで6年ぶりの箱根セミナーが盛況に終わり、この場を借りて感謝申し上げるとともに、今後もこのような意義あるイベントが継続して開催されることを願ってやみません。私自身も、後輩たちを支える役割を引き続き果たしていきたいと考えています。
リクルート委員長 吉野主理