植物発生生理学研究室

研究概要

植物の体は、芽、根、茎、花、果実など、さまざまな器官からつくられています。それぞれの器官がつくられる時期や形、大きさは、遺伝子の情報と環境からの影響によって調節されています。また、植物はみずから移動することはできません。そのため、さまざまに変化する環境に適応するための優れた生理メカニズムをもっています。 植物が発生し生育する過程には、形づくり(形態形成)だけでなく環境に対応する能力の獲得も行われます。具体的には種子や球根の休眠、種子や花粉の乾燥耐性などです。このような発生プログラムにのっとった環境適応のメカニズムに着目し、研究を進めています。特に、種子におけるアブシシン酸(ABA)の情報伝達や乾燥耐性獲得のメカニズムについて、生理学的・生化学的・分子生物学的手法で研究を進めています。主な研究材料としては、ニンジンの体細胞不定胚や培養細胞を用いています。 また、海に生える種子植物(海草)の種子発達や種子発芽、初期成長についても研究を進めています。