アップデート作業における諸注意
利用者はアップデートを行うことで、多くの潜在的な問題を解決することができます。
その反面、既存の環境を大きく変化させることになるため、不具合を誘発させることがあります。
アップデートはセキュリティ対策を行う上で、避けては通れない作業です。
バックアップを行うなど、十分な対策を取った上でアップデート作業を行ってください 。
アップデート作業はソフトウェアの重要な部位を書き換えますので、
更新作業に失敗してしまう、動作の不安定化やシステムの破損に繋がることもあります。
(失敗を招く要因は、システムファイルの不備、フリーズ、停電、操作ミス(リセットや電源ボタンの押下)、ソフトウェアの割込などです。)
※一般的なソフトウェアのアップデートに失敗した場合、プログラム・ライブラリの破損により、
該当プログラムが起動できなくなることがあります。
この場合でも、再度のアップデートや、プログラム・ライブラリの再インストール等によって復旧できることが多く、
システムの再インストールを要求されるような事態はまず起こりません。
※しかし、WindowsOS・IE・Office製品の場合は、システムの共有部分を書き換えるため、
アップデートの失敗によって、再インストールを余儀なくされる場合があります。
『アップデートに失敗してIEが使えなくなりました。
なにやら展開のために必要なモノが壊れたらしいです。
(再起動の再に5つぐらいそんなメッセージが出た)
システム復元できず。再セットアップするしかないのか…』
『XPのアップデート中
PCが凍って電源をきるはめに
なりました。
その後電源をつけると
XPのスタート画面のあと
一瞬だけブルーバックで
HARD ERROR
云々二行くらい書かれた画面に
なり、またXPの導入画面になり
それが繰り返されます。
再セットアップ以外で
どうすれば通常通りに
なるんでしょう。 携帯からです。 』
これらは、アップデートに失敗した場合に起こりえる症状の一例です。
ソフトウェアやライブラリ間には依存関係が発生している場合があります。
依存関係が成立している場合に、大規模な修正(Windowsのサービスパックなど)を行うことで、他の不具合を誘発することがあります。
この依存関係とは、他のソフトウェア(OS含む)やライブラリの機能を使用する(共有する)ことを前提として作成されているものであり、
共有元、共有先、どちらかが更新された際に”今まで利用できていたものが利用できなくなる”といった事態が発生することになります。
※依存関係とは、プログラム間の親子関係になります。子は、親の機能(やファイル)が無ければ動作することができません。
このとき、大規模な修正を行う(親に当たる部分を改変する)ことで、別の箇所で不具合が発生することになります。
※特にWindowsOSやOffice製品をアップデートする場合、システムファイルを変更することが多く、
依存関係にあるソフトウェアが存在する可能性もそれだけ高くなります。
※特定のソフトウェアをアップデートした後に、他のソフトウェアが起動できなくなる(或いは起動直後にフリーズする)様な場合は、
ソフトウェアのHPを参照し、情報を確認してください。
環境によっては、アップデートに必ず失敗する、或いは不具合が発生することがあります。
(例 アップデート後に音が鳴らなくなる、CD-RドライブがCDドライブとして認識されるなど)
この現象の多くは、使用中のハードウェアの組み合わせ(ドライバソフト)によるものです。
特に、ノート型パソコンはハードウェアを統合して管理していますので、この問題が致命的な影響を与えることがあります。
サービスパックの適用前などには、メーカサイトにて確認するようにして下さい。
( Windows Update、Windows Service Pack についてのサポートページか、 機種毎の情報ページに対策方法が記載されているはずです。)
先ほど依存関係について軽く触れましたが、修正プログラムにも依存関係は存在します。
※つまり、修正プログラムにも適用順序や、必要に応じて適用後の環境を修正する必要があるということです。
※基本的に、自分の使用環境において必要な修正プログラムを、発表順に適用していくことで、この問題は回避することができます。
(依存元である修正プログラムがある場合は、前もってその修正プログラムのみをインストールします)
尚、後述のWindowsUpdateは、
WindowsOSに関して、必要な修正プログラムのリストアップや、適用順序の最適化を代行してくれます。
(他のOSについても、同様の仕組み(パッケージ管理)が整いつつあります)