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梁 明秀 (りょう あきひで)
Akihide Ryo M.D., Ph.D
E-mail: aryo at yokohama-cu.ac.jp
教授就任の挨拶

 私は平成21年8月1日をもちまして、奥田研爾前教授の後任として横浜市立大学医学部微生物学教室・大学院医学研究科分子生体防御学の教授に就任いたしました梁 明秀と申します。国立感染症研究所エイズ研究センター第1研究グループ長より転任して参りました。大変責任のある任務でありますが、精一杯頑張って参る所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、昨今の新型インフルエンザなどの新興再興感染症の流行で、大学や研究機関における感染症研究や教育の役割が益々高まっています。昨年度の厚生労働省の感染症対策・予防指針は、「原因の究明」、「発生の予防及びまん延の防止」、研究開発の推進」のみならず、「医療の提供」、「人権の尊重」、「国際的な連携」、「施策の評価及び関係機関との新たな連携」など、基礎医学、社会医学および臨床医学を統合的に推進させて行くことが目標となっています。また、社会のニーズとして、それぞれの領域のプロフェッショナルとして従事する全人的な医師、研究者の育成が要望されています。

 当教室では、先進的な感染症研究および教育を行うことで、これらの領域に世界レベルで対応できるプロフェッショナルの育成を目指しています。
具体的には、国立感染症研究所エイズ研究センター長・山本直樹先生と共に「HIV-1の増殖や病原性発現に関わる細胞側因子の同定」というテーマで共同研究を実施しています。特に、無細胞系タンパク質合成系と蛍光分子相互作用の新しい手法を融合させることにより、ウイルスの増殖や病原性発現に関与する新規の細胞側因子を網羅的に同定する方法を開発し、当該テーマにおいて、文部科学省特定領域「感染現象のマトリックス」およびヒューマンサイエンス振興財団エイズ医薬品等開発研究の重点研究に採択されています。

 現時点では、「細胞-細胞間相互作用によりHIVの複製を誘導するメカニズム」、「細胞骨格系を介したHIV蛋白質の細胞内輸送」、「極性細胞におけるHIV粒子出芽方向の決定因子」、「ペプチジルプロリルイソメラーゼPin1によるHTLV-1 Taxの翻訳後修飾による制御」などのプロジェクトが進行中です。また、ワクチンやアジュバントの開発は、対策としても重要課題です。私は昨年度より「スーパー特区:次世代感染症ワクチン班:山西弘一チームリーダー」の班員として、重点研究課題(無細胞タンパク質合成系を基盤としたアジュバント・ワクチン開発)の担当者であり、今後の研究の発展が期待されています。

 以上のように、現在進行中の研究課題は上記の大型科研費の重点研究課題に採択されており、現時点では研究費は十分確保できています。今後は、人材面および研究環境をより一層充実させることで、上記の研究テーマを発展させるように努力して参ります。また、医学研究、特に感染症研究は、個体レベルでの感染症の成り立ちや生体反応および病態・合併症の形成などについて組織病理学的に考察することが大切です。実際の臨床検体を利用した臨床研究と、高次の細胞機能を解析する基礎研究を融合することで、創薬や臨床応用に向けた研究が推進することが可能となります。

 当教室ではウイルス学、細胞生物学、免疫学、人体病理学の知識および技術を融合的に活用することにより、エイズを含めた難治性慢性感染症や、癌、神経変性疾患、自己免疫疾患の撲滅に向けた研究活動および社会的活動を積極的に推進して参ります。浅学かつ未熟の身ではございますが 新しい環境のもと現スタッフとともに研究および教育に一層精進いたす所存でございますので 今後とも何とぞ倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 
研究業績 
 Publications 

広報誌whistle vol.9(2010年7月1日発行)に掲載されました。
学歴・職歴

2008年 愛媛大学無細胞生命科学工学研究センター 客員教授(兼務)
2007年 国立感染症研究所エイズ研究センター 第一研究グループ長
2006年 横浜市立大学医学系研究科 准教授 (病理学:青木一郎教授)
2003年 横浜市立大学医学系研究科 助手 (病理学:青木一郎教授)
2000年 ハーバード大学医学部研究員 (Dr. Kun Ping Lu Lab. Beth Israel Deaconess Medical)
2000年 東京医科歯科大学大学院医学系研究科修了(ウイルス制御学:山本直樹教授)


受賞歴
2006年 日本病理学会学術研究賞
2006年 横浜医学会賞
2003年 Special Fellow Award, Lukemia & Lymphoma Society, USA