平成31年2月15日(金)法医学者のための法学的教養勉強会開催
各種鑑定に携わる法医学者にとって法律に関する知識は必要不可欠ですが、法医学者が法学的な基本的な考え方や構成について学ぶ機会はほとんどありません。今回は、本学の基礎研究医養成活性化プログラムの連携大学である龍谷大学の福島 至先生をお招きして勉強会を開催しました。勉強会のタイトルは「法医学者のための法的知識~医師と法律家はお友達になれるのか~」であり、前半は本邦の法の成り立ちから法律学の学問性といった基本的な内容であり、後半は「医療と法」「司法解剖」「死因究明」など法医学者にとって身近なテーマについて具体例を含めてわかりやすい講義をしていただきました。
今回の勉強会にはプログラム受講者、本学法医学教室の医局員の他、連携大学である琉球大学からも2名の法医学者が参加しましたが、法医学者にとっては「目からウロコ」的な法学的知識を習得する貴重な機会となりました。また、勉強会での活発な議論を通して「基本的人権」や「倫理性」という基本概念についても、法律家と医師の間には若干の相違があることを認識し、この点では興味深い発見でした。法医学者と法律家は、ともに社会の安全と構成のために共に働く立場にあり、そのためには基本的な認識を共有あるいは相互理解を進めることが必要だと感じました。本プログラムの目標である広い視野を持った法医学者を育成するためにも、法律家を含めた他職種との勉強会は継続して開催すべきものと考えます。