実践力と研究力を備えた法医学者育成事業 文部科学省「基礎研究医養成活性化プログラム」採択事業

平成30年度

基礎研究医養成活性化プログラム

実践力と研究力を備えた法医学者育成事業
(平成29年度文部科学省補助金採択事業)

◆平成30年度の活動実績

活動報告書が出来上がりました。ご覧下さい。

平成30年5月 長崎大学派遣

長崎大学医学部法医学教室では、全国の法医学教室の中でも法医実務に多くの先端技術や斬新なシステムを導入している教室のひとつです。若い学生こそ、現時点の当該分野における最先端を知り、未来の発展に繋がるヒントを得ることが重要であるという視点から、今回、長崎大学への学部学生の派遣を実施しました。
長崎大学では早い段階から死後専用CTを導入して、検案ならびに解剖症例に対して死後画像診断を実施しています。同大学の死後画像診断システムの特徴は、長崎県警との緊密な連携によって24時間、365日体制でCT撮影を実施している点と、撮影した画像を放射線専門医が読影をしている点です。迅速に死因判断をすることで速やかなご遺体の返還が可能となり、放射線専門医が読影することにより見逃しや誤診を防ぐことに繋がります。超高齢化に伴う多死社会を迎えている本邦では、適切な死因判断の一助として死後画像診断の重要性は益々増加すると予測され、長崎大学の死後画像診断システムに学ぶところは大きいと考えます。

長崎大学医学部法医学教室では、法医解剖実務やデータ管理に多くの先端技術を導入し、効率的な運営システムを実施しています。解剖室では、複数医師が音声入力装置(Ami Voice)を使用することで効率的な記録が可能となり、撮影された解剖写真も直ちにデータベース上に保存されることで、法医実務における事務的な負担を軽減するための工夫がなされています。
 各大学法医学教室によって状況は異なりますが、限られた人員によって、多くの解剖実務の実施を求められている法医学教室の現状を鑑みると、効率的でミスのない実務運営のモデルになると考えます。 また、長崎県では長崎大学医学部法医学教室と長崎県警、児童相談所、県内医療機関が緊密に連携し、社会ニーズに応える法医実務を積極的に実施しています。特に、身体的虐待が疑われる子どもの生体鑑定に際しては、法医学者のみならず、小児科医や歯科医師など他領域のプロフェッショナルが連携して包括的な診断が行われています。これらの取り組みは、法医学者と臨床医が連携することの重要性を示す貴重なものであると考えます。
 今回のような他大学法医学教室への派遣を通して、地域や大学ごとに異なる法医実務の現状と可能性を知ることで、法医学に興味や将来性を感じる学生が増えることを期待しています。

■ プログラム受講生の感想

医学科4年 玉置亜実

長崎大学の法医学教室でのに実習見学では、検案や解剖の見学、施設内見学、法歯学に関する講義、長崎大学法医学教室のシステムについてお話を伺うなど、たくさんの経験ができました。
検案では、長崎大学では歯科医師の方が常駐しており、ご遺体の歯科所見をその場で正確に残していることが当大学との大きな違いでした。山下裕美先生が歯牙の状態から年齢を±2歳程度まで絞り込んでいたことに大変驚きました。年齢だけでなく喫煙の有無などの生活状況まで予想できるとのことで、歯牙や口腔内環境から得られる情報の多さに改めて気付かされました。
施設内見学と法医学教室のシステムについては、池松和哉先生からお話を伺いました。人員や設備が充実しているのはもちろんのこと、他大学の法医学教室との連携や他職種との連携もなされており、なにより解剖に関するデータや連絡がシステム化されており、大変効率化されていることに感銘を受けました。解剖することだけが全てではなく、一つでも多くのご遺体を多角的に見ることが重要で、そのために効率化はなくてはならないものだと強く感じました。見学を通して、施設や先生によって視点ややり方が違うことを実感し、自分も多様な視点が待てるように努めたいと思いました。

医学科4年 針金 裕平

横浜市立大学医学部では、4年次にリサーチ・クラークシップという約4ヶ月間の研究室配属実習カリキュラムが設けられています。他の基礎研究室や臨床教室と異なり、広い視点で社会の安全に貢献する法医学の領域に私は興味を抱くようになり、法医学教室に配属となりました。そのプログラムの一環で、長崎大学法医学教室にて実習見学をさせていただきました。
教室を拝見して、規模及び研究施設、スタッフの充実さにとても驚きました。学生専用部屋も配置されており、研究に打ち込みやすい環境であるように感じました。一通り教室のご案内を受けた後、検案業務の見学、及び山下裕美先生から歯科による個人識別のご講義を拝聴する機会をいただきました。検案では所見の採取など基本的な流れは横浜市立大学と同様でしたが、死後CTを活用して総合的に解剖の必要性の有無を判断していること、歯科法医学専門の先生が歯科所見を取り、個人識別に役立てていることなどが特徴的に感じました。口腔内所見でご遺体の年齢をほぼピタリと的中している手技に感嘆しました。
また、池松和哉教授から長崎県での検案・解剖実務の運営システムについてのご講義を拝聴する機会をいただきました。県下の法医学教室は長崎大学のみで、離島が多数存在するという神奈川県とは異なった環境下での実務の効率的な運営システムに驚きました。検案においても死後CTをフル活用しており、警察の協力のもと、24時間365日運営の撮影体制が整備されており、撮影後には、放射線科医が読影をし法医学教室へと報告がなされるという連携が取られていることがとても印象的でした。救急との連携で週一回カンファレンスに参加するなど、他科との連携を重視している点も長崎大学の特徴的なのかと感じました。
その後は実際に解剖見学を行い、様々な点で横浜市立大学との違いを観察することができました。撮影された写真はすぐさまデータベース上へと保存される点、AmiVoiceによる所見入力は複数の医師により同時に実行される点、解剖終了後はすぐさまメールにて関係者に結果報告し共有する点、など実務運営の面で業務負担を軽減する工夫がなされていると感じました。
本実習を通じ、法医学のもつ社会的な役割を再認識することができました。今回の経験を忘れずに、広く社会的な視野を持った医師になれるよう精進してまいります。

医学科4年 甲斐史一

私は大学のカリキュラムの一部であるリサーチクラークシップの一環として、長崎大学医学部法医学教室で実習をさせて頂きました。
まずは検案、解剖を見学させて頂きました。警察官の方々が解剖に参加し、複数の先生が同時に解剖所見の音声入力をして解剖の効率化を図っている様子には驚かされました。また、解剖所見やCT画像、病理のプレパラートまでスキャンしてすべてデータ化されて整理され、それぞれの情報へのアクセスが容易になっていました。その中でも解剖の所見の写真は後々に編集ができないようなファイルで保存されており、誤りによる編集や第三者による編集を防止していることには、真実を追求する法医学者としての意識の高さを感じさせられました。
他にも、長崎大学では当大学とは異なり、法医学教室にCT設備を備えていました。学内における資格を持った警察官がそのCTでご遺体を撮影し、その結果を放射線科の医師が読影をしているそうです。資格を持った警察官がCT画像を撮ることで、24時間体制での撮影を可能にし、撮影した画像を読影の専門家である放射線科医が読むことで正確な鑑定を実現しています。これは、理想的な協力の形で、法医学におけるチーム医療の形であると感じ感銘を受けました。また、このCTは、剖検の最中の検査の1つとして行うのではなく、解剖前に行い解剖を行うのかを決定するのに用いると聞き、非常に有用であると感じました。
また、教室で法歯学を担当している山下裕美先生にも講義をして頂きました。歯科の先生が解剖の際に所見を取っているのは新鮮で、ご遺体の口腔内の所見だけで年齢を特定しているのには驚かされました。また、東日本大震災の際にDNAで人物特定をしたのが1.1%なのに対して歯科所見で人物特定をしたのが7.9%だと聞いて、災害時などの歯科所見の重要さについてあらためて気付かされました。
今回の実習を通じて、法医学、ひいては医学に携わる者として、客観的な視点で、ご遺体や患者からの所見を見て、検査や分析を惜しむことなく行うことが重要であると考えさせられました。
このような実習の機会を与えてくださったすべての方に感謝致します。

■引率教員コメント

 本プログラムでは、琉球大学や北里大学の法医学教室と連携しているが、法医学教室には大学毎に特徴があります。長崎大学医学部法医学教室の特徴の1つとして、様々な部分で行われているシステム化があげられます。解剖のみならず、CTの読影や薬物分析などについてもシステム化されており、効率的に業務が運営されていました。また、歯科医師との連携も行われていました。このような法医学教室を学生が見学することにより、法医学が社会に求められていることを再認識し、法医学において基礎研究医を志す医学部学生にさらに興味を持たせることが出来たと考えられます。

平成30年6月 International Academy of Legal Medicine(IALM)学会発表

International Academy of Legal Medicine (IALM)は福岡で開催された国際学会であり、本学会に限りませんが国内で開催される国際学会では、国内で国際レベルの法医学者と懇親を深める機会を得ることができる貴重な機会となります。近年、医学研究者にはグローバリズムが求められ、法医学者も例外ではありません。法医学を志す若い医学生にも国際的な視点を持ち、世界レベルの研究に接して刺激を受ける必要がありますが、一方で、医学部の学生を海外で開催される国際学会に参加させるには、スケジュール的にも、経済的にも負担が大きくハードルが高いのが現状です。
そこで、国内で開催される国際学会には積極的に参加し、視野を広げて欲しいと期待して、今回は法医学を志す医学部学生をIALMに参加させました。参加した医学部生は海外の研究者の発表を聞き、世界的な法医学のトピックを知るとともに、外国人研究者とのコミュニケーションを通して多くのことを学ぶ貴重な経験をすることができました。

IALM 2018会場にて

■ 参加学生の感想

 私は4日間に渡りIALMに参加させていただきました。日本で開催された国際学会でしたが、予想以上に多くの国々からの発表がありました。法医学は鑑定を通して様々な社会問題と直面する学問ですが、日本と同様の問題を抱える国もあれば、日本と異なる問題に向き合う国もあり、各国で法医学が特色をもって発展していることを実感できました。
一例として、日本と同様に中国でも高齢者に対する虐待の事例が増加しているという報告があり、特に高齢化が進行しているアジア諸国の法医学者が問題解決のために知恵を絞る必要があるとの提案がありました。また日本と異なり、南アフリカ共和国では結核やHIV/AIDSによる死亡、対人暴力による死亡が多発し、依然として死亡率が極めて高く、法医学者も死亡の減少に貢献できるよう求められていることが強く伝わってきました。このように各国で法医学が社会問題の解決に寄与しながら進歩していることは興味深く、諸外国の独創的な研究に触れられた大変有意義な機会となりました。

平成30年8月 病理学教室・病院病理部との解剖CPCへの参加、症例提示

 学内における他教室との連携の一環として、病理学教室ならびに病院病理部との合同カンファレンスに参加しました。法医解剖では外因死を取り扱う機会が多いですが、なかには内因性疾患で死亡するものもあり、法医学者にも基本的な病理学的な診断能力が求められます。病理専門医とのカンファレンスを通して、病理学的な知識のみならず病理学的な考え方を学ぶ貴重な機会となることを期待しています。また他領域との人材交流は若い医師にとっては有意義なものと考えます。
参加は、多領域の専門家が緊密に連携することで鑑定や診断の精度が向上する可能性を感じる貴重な機会となりました。

■ 参加学生の感想

 平成30年8月3日病理学教室と病院病理部が合同で定期開催している剖検カンファレンスに参加しました。今回は法医解剖症例の中から診断に苦慮した内因性疾患の症例を提示させていただきました。診断に関しては病理専門医の先生から貴重なご意見をいただくとともに、今後の改善点などについてもご指導いただきました。
質疑応答では病理解剖症例でも法医学に中毒分析を依頼することができるのか、医療関連死について法医学と病理学がどのように連携していくべきか、などについても議論することができました。また、法医解剖に関する素朴な質問もあり、他領域の先生方に法医学を理解していただく貴重な機会となったと感じました。今回のカンファレンスへの参加は、多領域の専門家が緊密に連携することで鑑定や診断の精度が向上する可能性を感じる貴重な機会となりました。

平成30年9月 ミュンヘン大学派遣

 昨年に引き続き、プログラム受講生を9月27日からドイツのミュンヘン大学法医学研究所へ派遣しました。今年は、ミュンヘン大学の厚意により、より高い効果が上がるようにと前回の1週間より長い3週間の研修を提案いただきました。

■ プログラム受講生の感想

私は2018年9月27日から10月20日にかけての約3週間、ドイツのミュンヘン大学法医学研究所で研修を行いました。同研究所への訪問は2回目であり、前回の1週間と比較しより長期間の研修となりました。前回は研究所の施設見学や大まかな業務内容、態勢を把握することで精一杯でしたが、今回は解剖や生体鑑定において実際の症例を多く経験することができました。ミュンヘン法医学研究所では年間2500~3000体の解剖を行っている施設です。解剖台が3台設置され、1台につき最大4体、つまり1日に最大12体の遺体が解剖されます。私はそのうちの1台に配属となり、3週間で40体の解剖を見学することができました。これは横浜市大法医学での解剖数の約3か月分に相当します。症例の内容は、日本でのそれと似たものからドイツ独特のものまで多岐にわたり、非常に興味深いものでした。
私はこの1年間、横浜市大において死因推定、鑑別疾患、その鑑別に必要な検査などを考えながら解剖業務にたずさわってきました。それを今回の研修中も同様に行ってみると、私の経験不足による要因や日本とドイツにおける各疾患の有病率に差こそあれ、解剖前に予測した死因と解剖結果が異なる症例が多々ありました。例えば循環器疾患、とりわけ虚血性心疾患が死因ではないかと考えた症例に、肺動脈塞栓症が見つかることが度々ありました。虚血性心疾患と肺動脈塞栓症は外表所見に差はなく、死後画像診断でも確定はできません。つまり解剖でのみ死因を確定することができるため、改めて解剖の重要性を認識することとなりました。
生体鑑定においては、小児の性的虐待が疑われた症例や成人の創傷の診察を見学しました。性的虐待疑いの症例は4歳と1歳の姉妹でした。4歳の児がバスタブの縁に外陰部をぶつけたため小児科を受診したものの、医師がいざ診察するときに診察拒否があり、何らかの性的虐待が疑われたというものでした。結果的にいずれの児にも虐待を考える所見はありませんでしたが、日本では上記のエピソードだけで児童相談所に通告されたり、虐待を疑った診察に至ったりすることは恐らくないだろうと思われました。ドイツではいかに虐待に対して敏感になり、子供を守るために積極的に行動しているかを垣間見ることができました。
研修中は自分の興味がある分野に対して比較的自由に使える時間があり、今回私はガーゾフ先生の下で、頸部器官の剖出・精査を行いました。解剖時に摘出した頸部器官を一旦ホルマリン固定し、それに付属する筋群・軟部組織をすべて取り除くと舌骨・甲状軟骨・輪状軟骨・気管軟骨を観察できます。それらの損傷を調べることによって、外力がどの方向からどのように加わったのかを推測でき、法医学では絞頸・扼頸や自他殺の判断に繋がる可能性があります。各骨・軟骨に対して実体顕微鏡を用いて剖出していくのですが、鍛錬・忍耐が必要な技術であり、また損傷があった場合どのように外力が作用したかを考察するにも経験がものを言いました。非常に興味深い手技であり、今後も継続して学びたいと感じました。しかし、日本の法医学教室でそれ用の実体顕微鏡を持つ施設はなく、また知識や経験もないため、またガーゾフ先生にご教授いただけたらと考えています。
今回の研修ではミュンヘン大学法医学研究所の所長であるグラーフ先生をはじめ、ガーゾフ先生、諸先生方に大変お世話になり、充実した研修を行うことができました

平成30年11月 琉球大学派遣

2018年度 琉球大学研修報告書
横浜市立大学大学院 医学研究科 法医学
解良仁美

私は2018年11月12日から11月16日にかけて琉球大学法医学教室で研修を行いました。同教室への訪問は前回に引き続き2回目となりました。今回の研修では前回同様に解剖実習を行ったり、沖縄県警察の検視官に同行して検視の現場を見学したりと有意義な研修となりました。

横浜市立大学では、犯罪性があるかどうかなどを判断する司法解剖が中心ですが、琉球大学では病死などの死因特定を目的とした行政解剖や調査法解剖の症例が多くあります。そのため今回の解剖実習でも多くの病死症例を経験しました。特に今回私にとって初めてとなる絞扼性イレウスの症例があり、非常に勉強になりました。また、法医解剖において病院で処置を受けた後に解剖となるご遺体は、血管内留置カテーテルや気管チューブなどの医療器具を全て装着したままであることが望ましいのですが、横浜市立大学へは全て外された状態で運ばれます。聞くところによると、琉球大学では装着したままの症例が度々あるそうです。今回、体幹・四肢に複数の器具が付いたままの症例が実際にあり、生前の病態把握や死に至る経緯、死因について深く考察するきっかけとなりました。

警察や検察から依頼された解剖症例について、法医学者はただ死因究明を行うだけではなく、そもそも解剖が必要かどうかを判断するのも重要な任務だと私は考えます。しかし神奈川県・沖縄県を含む多くの都道府県では、法医学の知識をもった検視官(警察官)が検視でそれを判断した後、法医学者が解剖をする流れになっており、大学にいる限りではその判断をする機会はあまりありません。今回その検視に同行し、判断に至る一部始終に立ち会わせていただきました。その中で、所轄警察署の担当警察官と県警察の検視官とで見落としのないように注意深く検視をしている姿には、見習うべき点がありました。また同行中に、解剖を依頼する側としての思いを検視官から伺い、依頼される側との双方の違いを認識するに至りました。そして検視に同行したうちの数症例が実際に琉球大学で解剖され、一連の流れを経験する貴重な機会となったのは言うまでもありません。

今回の研修では興味深い解剖症例に加えて、普段同行することのない検視や検視から解剖に至るまでを経験することができ、将来法医学者になるにあたっての知見が深まりました。来年以降も研修の機会を得て、様々な見聞を広めていきたいと考えます。

平成30年12月 法医学者育成のための国際ワークショップ開催!

平成30年12月11日に横浜市立大学附属病院臨床大講堂において、第2回国際ワークショップ「連携が開くトビラ~法医学とその関連領域」を開催しました。今回は「物理的外力と損傷」という主テーマで、ミュンヘン大学法医学研究所 Matthias Graw主任教授、Lisa Eberle講師、国内から長崎県警察科学捜査研究所 平川俊介上級研究員、防衛医科大学 原田一樹准教授をゲストスピーカーとして招聘し、ご講演いただきました。

ワークショップ ▶

平成31年01月 北里大学研修

2018年度 北里大学研修報告書
横浜市立大学大学院 医学研究科 法医学
解良仁美

私は2019年1月17日に北里大学医学部法医学で研修を行いました。同日は2件の解剖実習に参加しました。それらの死因は比較的一般的なものでしたが、診断のために補助的な検査を行っていたのが印象的でした。その検査は血液中の化合物を検出するキットで、横浜市大や他の研修施設では使用していなかったので、非常に参考になりました。教科書などでその検査が有用と理解はしていても、実際にキットを使用しながら期待した結果が得られると、まさに百聞は一見に如かずでした。未だ経験したことのない検査方法が多く存在し、今後も研修を重ねて様々な見聞を広げていきたいと感じました。