守研究室で卒論・修論・博論を書きたい横市生へ
【学部生】
3年後期から、毎年2名程度の学生を受け入れています。
配属までの流れ:
3年前期の科目「課題提案型演習Bb」で、希望する研究室の論文を読み、内容について発表する課題があります。
(年によって形式が変わるかもしれないので、アナウンスに従ってください。)
守研を志望する方はご連絡ください。興味のあるテーマについて相談した上で、読んでいただく論文を提案します。
志望者が多くなりそうな場合は、この時点で情報共有します。
例年5月頃にカナリー・守担当の学生実験(自然科学実験IIb)があります。教員や研究室の先輩と雑談できるチャンスです。
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9月頃 配属希望調査の後、3年後期から正式に配属となります。
研究室の見学は上記の期間以外でも、いつでも可能です。守(morij[at]yokohama-cu.ac.jp)までご連絡の上、アポをとってください。
【大学院生】
修士課程・博士課程の指導が可能です。
大学院では、査読付き学術誌に論文を発表することを目指した指導を修士課程から行っています。
配属の際に、大学院(修士/博士)に進学するか、学部卒で就職するか、希望を伝えてください。
守研で学べること
守研究室は八景キャンパスでは唯一、微生物(特に原核生物=バクテリアとアーキア)のみを研究対象としている研究室です。動物や植物は(今のところ)全く扱っていません。微生物といっても色々いますが、特に、有害な化学物質や重金属で汚染された環境中に生息する微生物の生態に興味を持っています。汚染環境に適応した微生物について詳しく調べることで、未知の機能を持った新しい微生物を見つけたり、それを利用して環境負荷を改善できたりするかもしれません。
起こり得る研究対象のミスマッチ:
「乳酸菌や、プロバイオティクスに興味がある」 → 腸内細菌は扱っておりません
「微生物を使って、お酒を醸したい」 → 食品に関わる微生物は扱っておりません
「病原菌やウィルスを研究して、世界を救いたい」 → 病原性のあるものは(略
研究室に配属されたら、一人ひとり独立した研究テーマを守が提案し、各自選んでいただきます。どのテーマを選んでも、環境由来の微生物の培養実験を通して、無菌操作を始めとした基本的な微生物学実験手法を学ぶことができる他、微生物のゲノム解析を中心としたバイオインフォマティクスの手法を学びます。
守が提案するテーマ以外でも、「こんな環境中で暮らす微生物を調べてみたい、次世代シーケンサーで微生物群集を調べてみたい」といった類の内容で、個人で興味のある研究テーマを提案して頂いても構いません(配属前にご相談ください)。守がやったことのないテーマでも、面白そうであればアリです!
具体的に、何やるの?
環境中から微生物を捕まえるため、まず調査地に赴いて水や土壌などの試料の採集(サンプリング)を行い、実験室に持って帰ります。最近のメインの調査地はYCU金沢八景キャンパス近くの海岸です。

写真:横浜市金沢区の沿岸調査地
海水1 mLには10万〜100万個体の微生物が含まれているとも言われてます。金沢八景の海は景観も良く、海水浴や潮干狩り、釣り、バーベキューなどをする人々で賑わいますが、プラスチックゴミがたくさん捨てられていたり、漁港のあたりではよく油(ガソリン?)が浮いていたり、市の水再生センターも近くにあったりして、ここの微生物たちはいつも何かと人類の活動の影響に曝されています。
環境中では膨大な種類の微生物が常に競合しながらひしめき合っており、汚染などの環境変化に対して、生態系をガラリと変えて適応していると考えられます。それでも、複雑な微生物生態系の中で、重要な役割を果たす「キープレイヤー」が存在することが多いです。そんなキープレイヤーを捕まえて来て、フラスコの中で培養して増やし、ゲノム解析などを通してその詳しい生態・生理機構を知ることができれば、汚染環境に適応した微生物生態系を詳しく知る大きな足がかりとなるでしょう。まだ世界の誰も見つけていない、新種の微生物が見つかることも珍しくありません。
ところが、こうしたキープレイヤーは実験室での純粋培養が困難な場合があったり、あるいは複数種のキープレイヤーが共存する複雑な関係を構築していることもよくあります。そんな時に役立つのが、微生物群集のDNAを丸ごと回収し、次世代シーケンサーを用いてそれらを解析するメタゲノム解析(Metagenomics)と呼ばれる手法です。これにより、どんな種類の微生物がどれくらいの割合で存在するかだけでなく、断片的な遺伝子からそれぞれの微生物のゲノム情報を復元し、それぞれがどんな特徴を持っているか予測することもできます。昨今の環境微生物学では、こうしたデータサイエンスが主流になってきています。
私たちのごく身近な自然環境にも未知の微生物は数多く存在しており、そこは「新発見の宝庫」なのです。
このページを読んで、さらに興味の湧いた方は
他に聞きたいことがあれば、守(morij[at]yokohama-cu.ac.jp)までご連絡ください。