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西澤知宏
教授
京都大学大学院理学系研究科博士後期課程修了(2009年)、理学博士。東京大学大学医科学研究所研究員、東京大学大学院理学系研究科・助教・准教授を経て、2021年4月横浜市立大学大学院生命医科学研究科教授。
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高橋 捷也さんが笹川科学研究奨励賞を受賞されました

当研究室の博士博士後期課程を修了した高橋捷也さん(現 ハイデルベルク大学博士研究員)が、2025年4月18日に開催された笹川科学研究助成 2024年度奨励賞受賞者研究発表会及び2025年度研究奨励の会において、「笹川科学研究奨励賞」を受賞しました。
笹川科学研究助成は、日本科学協会が実施する若手研究者を対象とした研究助成制度で、課題の設定が独創性・萌芽性をもつ研究、発想や着眼点が従来にない新規性をもつ若手の研究を支援するものです。高橋さんは、博士後期課程3年時に2024年度助成者に選出され、このたび研究内容などが評価され受賞しました。

ヘモグロビンは血液中で酸素運搬の役割を担うタンパク質であり、全ての脊椎動物において共通の機能を果たします。ほとんどの脊椎動物において、有機リン酸の作用によって酸素の放出が制御されますが、脊椎動物で唯一、ワニのヘモグロビンは重炭酸イオン(HCO3)の作用によって酸素の放出が制御されます。この仕組みにより、より多くの酸素を供給することができるため、ワニは息を止めた長時間の潜水が可能で、それを活用した狩りを行うことが可能です。この仕組みは40年以上前に報告されましたが、長年の試みにも関わらずX線結晶構造解析による構造決定に成功していないため、詳細な分子レベルでの機序が解明されていませんでした。本研究では、クライオ電子顕微鏡単粒子解析法を用いてワニヘモグロビンの分子構造を決定し、その構造からワニヘモグロビンに特有な2つのアミノ酸置換がHCO3作用獲得に重要であることを特定しました。40年以上も謎であったワニにしかない仕組みを構造生物学の観点から新たな知見を提供しました。

高橋 捷也

詳細は研究科のホームページに掲載されています。

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