研究

 研究概要


第4次産業革命と称されるデジタル化はAI自動運転や物流革命、都市と地方の格差縮小、働き方やサービスの多様化など、社会構造やヒトのQoLを大きく変革すると予想されています。昨今のIoT型ビッグデータ産出と機械学習等のデータサイエンス技術の進展は著しく発展しており、刻々と変動する環境要因からヒトと地球の健康(恒常性)を評価するシステム生物学的手法の構築を推進します。

研究内容

(1)複雑分子系への解析技術高度化およびヒトと環境の恒常性評価
 ヒトは大自然の営みから食物を摂取して代謝し、環境微生物群の脅威と接し、かつ共生しながら恒常性を維持している。こうした分子複雑系の変遷は各種一斉分析と情報科学的手法の高度化により、特徴抽出が可能となっている。近年急速に進展するIoT/ビッグデータAI関連解析技術を導入し、分子複雑系に迫る。

(2)共生系の生物学と環境中からの有用遺伝子資源の探索
 地球上の生物は、多種多様な共生関係にある。しかし、それらの生物間相互作用のほとんどは、難培養性とモデル生物・生物学の陰に隠れて充分に研究されていない。我々はその広大な未踏領域へ、従来の要素分解的な生物学とは異なる各種オミックス解析的手法を基礎にして踏み込むことで、基礎・応用の両面から全く新しい生物学を確立していく。

(3)複雑生態系の共代謝解析技術高度化と物質循環・健康評価への応用
 土壌や深海のような環境生態系や腸内フローラのような共生生態系では、様々な生物・微生物間における複雑な生物学的・化学的相互作用を通じた共代謝反応が生じており、地球化学的物質循環や宿主の恒常性維持に貢献している。これらの複雑な生態反応場を紐解く共代謝解析技術の高度化とその技術を応用した環境評価技術および健康評価技術の確立を目指している。

研究テーマ

1. 複雑な環境生物群・生体分子群の各種分光学的計測技術高度化
2. 環境生物群・生体分子群計測情報のデータベース化および情報解析技術高度化
3. 自然の環境浄化システムに学ぶ水陸バイオマスの循環的利用研究
4. 震災復興等に関連した環境生物叢の自然代謝能評価技術の構築
5. 食物栄養摂取と動物(哺乳類・魚類・昆虫)共生細菌群との共代謝系解析