YCU 横浜市立大学 データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻

Researchers

教員紹介

植田 真一郎
UEDA Shinichiro
主要担当科目
ヘルスデータサイエンス研究演習
Q.1

これまでの研究者としての
歩みを教えて下さい

私は横浜市立大学医学部附属病院での研修医の時、なぜこの薬?なぜこの投与量?なんで効いていると判断できるのか?誰にでも同じような効果があるのか?などの疑問がなかなか解決できず、そこで臨床薬理学に出会い、国立国際医療センターの臨床研究部にいらっしゃった故石崎高志先生の薫陶を受けました。1991年からスコットランドのグラスゴー大学で臨床薬理学研究のトレーニングを受け、2001年に琉球大学医学部に臨床薬理学講座が開設され赴任いたしました。最終的には薬剤などの治療介入をの個別化、至適化することを目標に、薬効の個人差の研究、ヒトの血管薬理学、循環器疾患の臨床試験などに従事してきましたが、2010年頃からいろいろな医療者の持つ臨床的疑問の解決に向けてプライマリケア医や市中病院の専門医、医療従事者たちと一緒に考えながら臨床研究をデザインすることにも取り組んでいます。もともと薬剤臨床試験のデザインを専門の一つにしていますが、最近では薬剤の位置付けや多剤併用、多併存疾患患者の問題、個人差の問題を解決するために臨床研究の基盤としてのコホート研究もおこなっています。2020年度から特定臨床研究レベルの研究計画書を作成できる臨床研究者を育成するAMEDプロジェクトを横浜市立大学、琉球大学、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学と共同で開始しています。この内容もHDSのプログラムに組み込めればと考えています。

Q.2

学生と一緒にやりたいことに
ついて教えて下さい。

HDSは学生の研究について議論してより良い研究実現を目指す研究演習を担当しています。様々な職種、専門の医師、医療従事者と研究を行ってきましたので、臨床的疑問を研究に落とし込むというもっとも重要な段階について領域を問わずお手伝いできると思います。薬剤の研究に従事しながら、結局最終的にケアを提供するプライマリケア領域の研究の必要を痛感しており、この領域でもいろいろな切り口を考えています。また特定臨床研究や医師主導治験のような臨床試験も決して難しくはなく、臨床的疑問の解決に必要であればぜひチャレンジして欲しいし、お手伝いできます。どんなに素晴らしい研究計画も実現しなければ意味はありません。実施するための現実的な方法論についても一緒に考えて行こうと思います。最後にHDSでいろいろなスキルを学ぶと思いますが、良い研究には良い感覚、リテラシーが必要です。これも研究演習を通して学んでいただければと考えています。