担当

川崎 隆(助教),坂田 勝巳(准教授,部長)

治療詳細

手足に力が入りにくくなったり,シビレたりするのは脳の病気ばかりではありません.脊椎・脊髄の病気かもしれません.脊椎とは頚椎,胸椎,腰椎からなるいわゆる“背骨”のこと,脊髄とは脊椎のトンネルの中を通る神経のことです.脳から手足へ命令を,手足から脳へ情報を伝えることをしています.当院では頸椎症,脊柱管狭窄症,頚椎,腰椎ヘルニア,脊髄腫瘍に対しても,手術用顕微鏡を用いてできるだけ低侵襲に手術を行っております.大学の村田助教(日本脊髄外科学会専門医)とも連携をとり,最良の手術法を選択しQOLを重視した治療を行なっております.

キアリ奇形

生まれながらの頭蓋骨や頚椎の奇形のため,小脳が脊椎に落ち込んでしまう病気です.髄液の流れが傷害されるため,脊髄に髄液がたまってしまう(脊髄空洞症)こともあります.手足のしびれや痛み,ひどくなると力も入らなくなってしまいます.手術は脳や脊髄を触ることなく,頭蓋骨や頚椎を削り,硬膜という袋を広げることで,改善が期待できます.

脊髄腫瘍

脊髄の腫瘍は硬膜という袋の中か外か,脊髄の中か外かで3つのタイプに分けられます.脊髄の手術でも脳の手術同様に顕微鏡を使用して繊細な手術を行っています.

脊椎疾患

脊椎の病気には,変形性頚椎症,椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症,後縦靱帯骨化症などがあります.これらは骨や椎間板,靱帯が脊椎のトンネルの中に出っ張って,脊髄を圧迫するために起こります.手術には前からアプローチする方法と後ろからアプローチする方法があります.前からのアプローチでは骨の出っ張りや椎間板を摘出します.後ろからアプローチは,脊椎を削り,セラミックの人工骨を挟み込みトンネルを拡大する手術です.当院では背部の筋肉をできる限り傷めず温存するように手術を行っています.

図1:後方アプローチでセラミック人工骨を挿入
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