小児リウマチ性疾患から結核・感染性疾患、川崎病、先天性免疫不全症、周期性発熱症候群など多岐にわたる特殊な感染症・免疫疾患を対象としています。大学附属病院(福浦)ではスタッフが小児リウマチ専門研修医とともにグループで診療・研究にあたっています。
診療について
- 小児リウマチ性疾患
小児リウマチ性疾患では、協力病院あるいは県内の協力病院からのご紹介症例のみならず、全国の病院もしくは患者さんからの相談があり、昨年度も一昨年度と同様、電話・FAX・電子メールによる相談は900症例を越えました。(およそ1日に2~3件の相談が届いていることになります)毎週木曜日のリウマチ外来にも2、3人の新規患者さんが来られ、さらに相談病院に入院中の重症例には近隣・遠方にかかわらず、その病院まで横田教授をはじめとしてスタッフの訪問診療・指導も行っておりますが、本領域での専門医療の充実が優先課題だということを身に染みて感じています。
小児リウマチ領域では、画期的な治療法である生物学的製剤の台頭が目覚しく、治療難渋症例に福音をもたらしてきました。 その中でも、2001年より行っている全身型・関節型若年性特発性関節炎に対するトシリズマブ、2004年よりの関節型若年性特発性関節炎に対するエタネルセプトの臨床試験も終了し、2006年度内に厚生労働省への承認申請に漕ぎ着けました(ただし、まだ認可まで時間がかかる見込みです)。 - 小児結核
小児結核に関して附属病院は神奈川県内では唯一の入院施設であり、毎年50~60症例の新患紹介があります(全国統計では、ここ数年の小児結核の新規症例は120~150症例といわれています)。最近は、これまでの乳児のBCG接種前のツベルクリン反応自然陽転例、学校検診でのツベルクリン反応強陽性例もしくは家族検診での受診はほとんどみられず、受診症例の大半が家族検診(同居者の結核発症による精査)となっております。これまで結核の診断にはツベルクリン反応、X線検査、抗酸菌培養・PCR検査が用いられてきましたが、クウォンティフェロンという結核菌感染を鋭敏に且つ迅速に判定することのできる血液検査法が開発され、結核の早期診断に有用性が高いことが附属病院での症例検討で明確になりました。結核に対する行政対策の変化や新しい診断法の登場に則して、本院の「結核マニュアル」の改訂版(第3版)を作成致しました。
(ご希望の方はお問い合わせください) - 川崎病
川崎病には、ガンマグロブリン不応例に対して血漿交換療法という本大学独自の方法を、市大センター病院の腎グループの先生と共同で総計130例以上の重症例に施行してきました。本治療法も全国的に「市民権」を得るようになり、全国のいくつかの大学病院あるいは地域基幹病院で、その有用性が検証されるようになりました。また、難治性川崎病症例に対してインフリキシマブ(抗TNF抗体)という生物学的製剤の投与も10例(平成19年6月16日現在)に行い、従来の血漿交換療法より利便性の高い治療法として臨床的解析を進めています。
研究について
基礎分野での研究成果が、臨床に直接結びつく機会が増えていることが実感され、医療・医学の進歩が肌で感じられる昨今となりました。研究室では、昨年まで米国ピッツバーグ大学に留学し戻ってきた宮前が中心となり、大学院生、博士研究員らが、川崎病の病因および病態の解明、各種リウマチ性疾患の病態把握、周期性発熱症候群の遺伝子解析などの研究に精力的にかかわり、「臨床への橋渡し」をモットーに貴重な成果を出してくれています。様々な疾患(感染症・免疫疾患以外でも構いません)の病態にかかわるサイトカイン測定も臨床検体さえあれば、研究室でお預かりして即日結果をお返ししますので是非ともご相談ください。
小児リウマチ専門研修医の募集
2002年以降、東海、東北地方などから、小児リウマチ性疾患の診療トレーニングを目的とした、学外からの国内留学、専門研修を継続的に受け入れていました。ここでは、小児リウマチ領域の基礎的研究や臨床研究に一定期間従事し、小児リウマチ専門研修医の育成をはかるという目的で、大学からも臨床研修医というポジションを用意していただいています。これまで本院で勉強し巣立っていった、岩田直美医師(現、あいち子供センター)、梅林宏明医師(現、宮城こども病院)、中岸保夫医師(現、兵庫こども病院)が現在地域の中核としてリウマチ診療に従事してくれています。2007年度は、京都大学、三重大学、新潟大学、愛媛大学、兵庫こども病院から小児リウマチ専門研修医が来て頂き、入院患者の診療・治療に携わってくれています。?我々と一緒に臨床の現場で働き、経験を共有した若い小児リウマチ専門研修医が地元に帰り、その後も連携を取りながら、その地域の患者さんのために頑張ってくれるよう、しっかりと育成を図りたいと考えております。?最後になりますが、皆様、どんな事でも構いませんので、お気軽にご連絡ください。



