教授 石川義弘



 循環制御医学部門ホームページにようこそ。当研究部門は平成15年度の大学院改組をきっかけに、生理学教室を母体として生まれた部門です。循環に関する研究を、遺伝子のレベルから個体、さらには医療制度にいたるまで、基礎から臨床まで総合的に解明することが教室の基本テーマです。実際には「循環」という名称はついても、研究の対象は、細胞増殖肥大を担う成長因子から、循環制御の神経内分泌因子の同定まで幅広く設定し、「役に立つ学問」を目指しています。わが国での呼称は「循環制御医学部門」ですが、実体は欧米の大学医学部には必ず設置されている「心臓血管医学研究所」です。部門としての使命は学生を教育することと、研究者(基礎・臨床ともに)を育成して世に送り出していくことです。
 私は長い米国生活を経て本学に着任しました。日米両国で医学生として学び、日米両国で教員として医学生を教育に携わってまいりました。研究の指導も日米両国で、日本人中国人はもとより、アメリカ人、ドイツ人、フランス人からインド人まで幅広い国籍をもつ学生あるいは若手の研究者を指導させていただきました。研究室OBは研究職の教員が多いのは事実ですが、中にはすでに大手製薬会社の部門長に上りつめた方いれば、総合病院の内科部長になった方もいます。私は、教室で学ぶ皆さんに提供できるのは、自己研鑽の機会であると思っています。人生の限られた期間を徹底的にひとつのことに打ち込む、そしてその経験から人生の目標を掴み取っていって欲しいと願っています。
 わが国にも大きな変革が訪れようとしています。米国流を主体とするグローバルスタンダードの潮流がそれです。良し悪しは別として、このメガトレンドは変わることはないでしょう。一般的には能力主義の導入などと恐れられていますが、私は決して恐れることなどないと思っています。旧来のわが国の方法は、「誰もが同じことを同じようにする」ことでしたが、それが「各人が各人の得意な才能を生かす」ことで全体のパワーアップに貢献していく、ととらえればいいと思います。不得意なことを無理強いさせられるよりは、自分の得意分野を伸ばしていったほうが、効率も上がります。教室から一人でも多くのグローバルスタンダードな研究指導者を輩出していくのが私の目標です。

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