会長コラム -春夏秋冬-

2023年度春

今年卒業された学生たちは大学生活の中でコロナ禍の影響を大きく受けました。
今年入学されたみなさんも高校生活において同様に制約を受けたことと思います。
コロナ禍の負の側面は大きかったものの、一方では従来にない社会状況に如何に対応していくかという試行錯誤の経験には重要な学びがあったのではないでしょうか。新型コロナウイルスというパンデミックは、日本人に限らず、世界中の人々、国際社会にとって大きなチャレンジであり、全ての個々人が自分自身や家族と向き合い、自らの生き方を問い直す良い機会になった側面もあるのではないかと感じています。

他の国ではいつから新学年がスタートするのでしょうか？
欧米、ロシア、中国等９月開始の国が最も多く、東京大学の調査（入学時期の在り方に関する「懇談会中間まとめ」2012年）によると、9月入学の国は116カ国です。
９月以外の国もあり、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールは１月から２月初め、韓国は３月、タイは５月、フィリピンは６月です。

新学年の開始時期は国によってさまざまですが、その理由はどこも同様で、昔は多くの国で農作業のスケジュールに合わせて入学時期を決定していたのです。子供が農作業の手伝いをするのが一般的だったため、収穫で繁忙期は学校を休みにし、少し落ち着く時期から学校を始めていました。理由は同じでも気候風土により国によって時期に違いが生まれたのでしょう。

子供を取り巻く環境が大きく変わった現代、Globalな人の移動を考えれば、日本も入学時期を国際社会と合わせていくメリットは大きいように思います。従来の日本型「３月卒業、４月入社、終身雇用」も変わってきており、必要な人材を一年を通して採用する企業も増えています。人口減少が加速する日本が国際社会からの人材受け入れに門戸を開く議論を国民レベルで深める必要があるのではないでしょうか。

新入生を迎い入れ、大学教職員と一丸となり後援会としても学生たちの充実した大学生活を支援して参ります。