横浜市立大学附属 市民総合医療センター 内分泌・糖尿病内科

挨拶



                                 内分泌・糖尿病内科 部長  山川 正


当科では糖尿病、脂質異常症、内分泌疾患を対象に診療を行っています。糖尿病に対しては、市民医療に徹した地域医療の基幹病院として高度・専門医療を実施すべく、糖尿病教育入院、外来糖尿病教室、栄養指導あるいは総合病院の利点を生かし、眼科、神経内科、腎臓内科、心臓血管センター、皮膚科、神経科、外科、母子医療センターなど他科の協力を得て、全身病といわれる糖尿病の合併症を診療しています。

外来はかかりつけ医、入院は当科という方針で特に入院に主力を注いでいます。完全紹介制で、逆紹介率7090%という実績です。新患数は年間約1000例です。

 

糖尿病  糖尿病療養指導士の資格を有するスタッフが多数在籍しています。外来の看護師、病棟看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、歯科衛生士、臨床心理士、理学療法士のコメディカル・スタッフを中心に当科医師を加えた糖尿病教育チームによる指導には定評があります。

教育入院担当看護師2名が2週間の教育入院を担当し、日常の療養について指導するほか、管理栄養士による栄養指導、バイキング教室、薬剤師による服薬指導、講義、臨床検査技師による自己血糖測定指導および検査についての講義、臨床心理士によるカウンセリング、歯科衛生士によるブラッシング指導、医師による講義など内容豊富です。そのため短期間で糖尿病についての関心、知識が高まり、以後の療養に絶大な効果があると患者のみならず、紹介医からの評価も高く、多くの患者を紹介していただいています。

糖尿病の治療にあたっては、病態に応じた治療法を選択することはもちろんですが、患者の生活習慣、背景、希望などを十分考慮して、適切な治療法を選択し、QOLを維持したまま良好な血糖コントロールができるように配慮しています。最近では、24時間血糖測定装置(CGMS)による持続血糖測定を開始し、厳格な血糖管理に利用しております。非常に有用な検査であり、CGMS目的の紹介を受け付ける予定にしています。現在、病床利用率は100%、平均在院日数は18日です。最近は、利便性を考え、外来でのインスリン導入も行っています。現在定期的に外来で管理している症例は糖尿1,200例になります。病棟は12床で、うち4床が糖尿病教育用です。

 

内分泌疾患  最近では横浜市内の内分泌専門医の不足のため、診療所のみならず多くの病院からも内分泌疾患の紹介があります。副腎疾患(アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫)、下垂体疾患(腫瘍、機能低下症)、副甲状腺疾患、膵内分泌腫瘍(ガストリノーマ、インスリノーマ)などについて的確な診断を行い、甲状腺外科、泌尿器科、脳外科、消化器病センターと連携し、最先端の診療ができるよう努力しています。症例は甲状腺300例、内分泌疾患100例です。

 

高脂血症  脂質代謝異常も専門にしており、家族性高コレステロール血症などの難治性高脂血症患者の診断、治療を積極的に行い、論文発表、臨床報告を数多く行っています。

 

医療設備  CTMRI、各種超音波など大学病院としての設備が整っています。

 

外来診療  糖尿病・高脂血症・内分泌疾患ともに完全紹介制となります