Project 多言語共修プロジェクト
多言語共修プロジェクトの紹介
2019年度後期

2019年度後期に実施した「多言語で共に学ぶワークショップ」を紹介します。

このワークショップでは、2019年度前半に引き続き、横浜市立大学でさまざまな外国語を学ぶ学生が集まって、共通のテーマについて調査・発表を行いました。

初回の様子

今回は、留学生のための日本語の正規授業に、ドイツ語とフランス語を学ぶ国内学生が自由参加で加わりました。全15回の授業のうち、8回をワークショップのための共同授業としました。共同授業では、テーマ設定、インタビューやアンケートのやり方、議論の構成など、アカデミックスキルの基本を学び、それに基づいて、授業時間外に作業をすすめ、研究計画書を出し、パイロット調査と本調査を実施し、中間発表会を行い、ネイティヴスピーカーを含む複数の教員からアドバイスを受けました。

協働の様子

調査と発表は、2~6名からなる5グループにわかれて行いました。

ドイツ語グループとフランス語グループでは、留学生と国内学生がお互いの言語と日本語を使いながら、共通テーマについて調査を進めました。イタリア語が母語の学生のグループ、中国語ないし英語が母語の学生のグループ、韓国・朝鮮語が母語の学生グループは、様々な言語を用いながら、日本語での発表をめざして作業しました。

中間発表

ワークショップ最終日には、全グループが皆の前で最終結果を発表しました。

共修 「日本語グループC」

日本語(中国語ないし英語の母語話者)グループCは、「化粧とスキンケアについて」という題で、日本の大学生の化粧とスキンケアに対する意識を、男女別に調査しました。大学生22名にアンケートとインタビューを行い、日本の大学生の多くが女性が化粧をすることを重視していること、化粧を重視する理由は男女で差があることなどが報告されました。

共修 「フランス語グループ」

フランス語グループは、「フランスの料理」について、日本語とフランス語の両方で発表しました。フランス菓子のパティシエ、フランス料理のシェフ、フランス料理店の経営者の三人にアンケートとインタビューを行い、日本人がフランス料理について持つイメージが、日本で提供されるフランス料理のメニューや味に影響を与えるのではないかと考察しました。

共修 「日本語グループB」

日本語(イタリア語母語話者)グループBは、「日本で暮らしている外国人の食生活」をテーマに選び、日本で暮らす様々な国籍の外国人22名に、SNSを用いてアンケートを行いました。結果のひとつは、欧米出身の外国人は日本料理を食べる機会が多いのに対して、アジア出身の外国人は自国料理を食べる機会が多いというものでした。グループでは、この理由について、自国料理の食材の求めやすさが、自国料理を食べる頻度に関係しているのではないかと考察しました。

共修 「日本語グループA」

日本語(韓国語母語話者)グループAは、「ソンドとみなとみらいの類似性について」というタイトルで、インチョン市と横浜市にある二つの地区を比較しました。日本と韓国に住む4名にインタビューを行うとともに、文献調査に時間をかけ、二つの地域の歴史、地理的条件、経済政策、都市計画などについて、類似点と相違点を指摘しました。

ドイツ語グループは、「猫カフェと動物愛護」について、日本語とドイツ語の両方で発表しました。オーストリアと日本の猫カフェの現状について基本的事項を調査したうえで、両国に住む11名にインタビューを行いました。猫カフェの数は日本が圧倒的に多く、保護猫のための施設としてだけでなく、商業目的の施設もある点が、オーストリアとの違いとして指摘されました。また、動物愛護の観点からみた猫カフェに関する意識には、両国であまりかわりがないことがわかりました。

最終発表のあと、学生には修了証書が手渡されました。