教授挨拶
生命病態学教室は2025年8月にスタートした新しい教室です。近年、大規模オミクス解析や画像解析、AI技術の発展により、膨大なデータから生命現象を俯瞰的に捉えることが可能となってきました。このような中で、得られた情報を受動的に受け取るだけでなく、その中から生命の本質につながる問いを見いだし、考え抜く力がこれまで以上に重要になっていると感じています。本教室では、そのような“問いを立て、深く考える力”を育てることを大切にしたいと考えています。学生の皆さんには、教科書や既存の知識を出発点としながらも、それにとどまらず、自ら問いを持ち、自分の頭で考え続ける姿勢を身につけてほしいと思っています。
研究においては、死細胞や障害を受けた細胞から放出される内因性分子(DAMPs;細胞障害関連分子)に着目し、生体防御の本質や疾患との関わりを明らかにするとともに、その知見を応用へとつなげていくことを目指しています。新しい解析技術が次々と生み出される中で、これまで培ってきた生化学、分子生物学、遺伝学、免疫学などの基礎的な手法を大切にしつつ、新たな手法も積極的に取り入れています。これにより、病態やその背景にあるメカニズムを多角的に理解し、新しい視点から疾患の理解や克服につながる知見の創出を目指しています。
本教室では学内外・国内外のさまざまな分野との連携を大切にしています。新しいテクノロジーや多様な視点が加わることで、新たな発見や発想が生まれると考えています。失敗を恐れず、自由な発想で研究に取り組んでほしいと思います。基礎医学の研究はすぐに結果が見えるものではありませんが、その積み重ねが将来の医療や生命科学の発展につながっていくと考えています。
研究に興味のある学生の方、共同研究をご検討いただける研究者・企業の皆様など、多くの方々と連携しながら、生体防御機構の理解とその応用の発展に貢献していきたいと考えております。さまざまな方との出会いを楽しみにしております。
研究室概要
私たちの身体は、ウイルスや細菌の感染、がんなど、日々さまざまな危機や異常にさらされています。こうした状況に対応し、恒常性を保つために、私たちの身体には生体防御システムが備わっています。この「異常や危機に対する応答」と「そこから回復し恒常性を維持する仕組み」を理解することは、生命の本質を知る上でとても重要です。
生命病態学教室では特に、異常や危機に伴って傷ついた細胞や死細胞から放出される自己の細胞由来の分子群(DAMPsなど)に注目して研究を進めています。これらの分子が周囲の細胞に作用して誘導する応答を、分子・細胞レベルで理解するとともに、それが生体防御にどのように寄与しているのかを明らかにすることを目指しています。さらに、この機構の破綻が、がんなどの疾患にどのように関与するのかを明らかにし、病態の理解や治療標的の創出につなげていくことを目標としています。
お知らせ
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- 2026.4.27
- 生命病態学教室のホームページを公開しました。








