10月7日レジデント抄読会

10月7日はレジデントによる抄読会とWeb開催となった児童青年精神医学会の予演会を開催しました。青木医師からは緘黙の一卵性双生児のケースレポートの紹介があり、一卵性双生児の治療を双生児同時に集団療法などに持ち込んで行うべきか否かの議論がなされました。双生児の兄弟間で良い影響を及ぼすか悪い影響を及ぼすのかはまだまだ議論の余地があるところでした。戸井田医師からは小児期の強迫性障害の長期経過の紹介がありました。薬物療法と集団認知行動療法のいずれにおいても予後の差はなく、半数以上に症状が残存することが示されました。半数という数字を転帰不良ととるのかは議論が分かれるところですが、治療成績を少しでもよくしていくための担当医としての努力はとても重要だと思われます。浅沼医師からはインターネット・ゲーム障害が疑われる子の特徴について報告がありました。夕方の生活機能と家族との良好な関係が妨げられる可能性が初診時横断調査の結果より示されました。宮崎医師からは児童青年期の適応障害患者の自殺と関連するストレス因と保護因子について報告がありました。自殺に関連するストレス因は適応障害の場合、家族もしくは学校であり、保護因子となるものは家族と相談できる関係があるかどうかという重要な結果でした。子どもがストレスを抱えている場合、家族が子どもと一緒にそのストレスを解決できる関係にあるか否かはとても大事なことです。