8月定例症例検討

8月19日は定例の症例検討会が開催されました。附属病院の青木医師に症例を提示いただきました。SNSの不適切使用、自傷行為、性化行動、そして警察も巻き込む事件化など担当医が当惑する展開が次々に起こるものの、なかなか歯止めがかからない症例でした。症例と向き合う医師には特有の感情があります。悪びれない態度をとる子どもや、逡巡し重大な決断を迷い先延ばしにする家族に対して医師は焦ったり、無力感を感じたり、腹立たしく感じるなど、しばしば陰性感情を抱きます。そんなときに、治療者がとる態度も様々です。当たらず触らず傾聴に努めるだけにとどめるような回避的態度、一生懸命子どもや家族に説諭するなどの攻撃的態度など、必ずしも子どもや家族にとって有益にならない行動をとることがあります。 そのような場合、医師は自らの感情に気づき、子どもや家族が悪循環に陥らざるを得なかった事情を積極的に理解する態度をとるべきでしょう。その結果、当事者には有益な気づきをもたらすはずです。 青木医師は症例を目の前に、医師としてとるべき態度を迷っていたようですが、今回は全体の経過を振り返り様々な視点を得ることで、治療者としての立ち位置を点検するよい機会となりました。