■ボランティア支援室・キャリア支援センター共同開催講座レポート
学生時代の活動を、自分のライフデザインに活かす
11月30日(水)の放課後、YCUスクエア・ピオニーホールで、ボランティア支援室としては初の試みである、キャリア支援センターとのコラボ講座(神奈川県「ライフキャリア教育推進事業」として実施)を開催しました。テーマは「学生時代のさまざまな活動を、自分自身のライフデザインに活かしていこう」というもの。
ライフキャリアシートという自分史年表を埋めるワークも行い、今まで、ありそうでなかった、新たな切り口で「キャリア」を考える時間となりました。
■ライフキャリアを描く作業「ライフデザイン」とは?
参加してくれたのは、学年はもちろん、学科・学系もさまざまな市大生12名。大学院の学生も3名参加してくれました。
まずはじめは、講師の高城さん(NPO法人アクションポート理事長)による座学。参加者による自己紹介でアイスブレークしたあと、「ライフキャリア」や「ライフデザイン」についての説明や、人それぞれが持っている人生の役割のお話がありました。
人生の中で人は、時に応じて「息子・娘」だったり、「市民」「学生」「職業人」だったり、いろいろな役割につきます。「学生」であるのは、何も18歳~22歳の時期だけとは限りません。定年退職した人が、老後の人生を豊かに送るために再び勉強を始めることもあるし、子育て中の主婦が、子どもの手が離れたら復職を目指したいと、大学に入り直すこともあります。つまり、これから先の人生では、人はいつどんな役割をすることになるかわからないし、予想もつかないことが起きて、その結果その役割を果たすことになる場合もあるのです。
そんな不確実な未来だからこそ、自分は何を大切にして生きていきたいかを見失わないために、ライフキャリアを描いてみる。今回の講座は、今後の人生を長期的視点で考え、積極的に選択をするためのヒントを見つけてもらう時間でもありました。
■金融関係に就職後もNPOの代表理事を務める先輩のお話
今回のWSのテーマのひとつは、参加者に自分のライフキャリアシートを埋める作業をしてもらうというもの。でも、何か参考になるものがないと、短い時間で自分のシートを書き込むことはなかなか難しい…。ということで、「学生時代の活動をライフキャリアに活かしている先輩」のお話を参考にしてもらおうと、この3月に市大を卒業し金融関係に就職しながらNPOでの活動も続けている先輩に来ていただきました。
永井亮さんは、市大生時代に環境ボランティア Step Up↑で環境問題に取り組み、現在は金融関係に勤務しながら、特定非営利活動法人A SEED JAPANで代表理事を務めています。ご自分のライフキャリアシートを紹介していただきながら、幼いころから大学生活までの過去の話をしていただきました。
永井さんは市大在学時代「地域活動の経験を自分の大学での学びに活かす」のではなく、「地域課題の解決のために、大学で学ぶ」という発想の転換があったそうです。また、「どうやって、仕事と社会貢献活動の両立をしているのか?」とよく聞かれるそうですが、そうではなく「社会の課題を解決するために今の仕事を選び、NPOの活動も続けている。つまり目指していることは両方とも同じだから、両立、というのとは少し違う」というお話が印象的でした。
■シートを埋めながら過去を振り返り、その時感じていたことを思い出す<過去編>
ライフキャリアシートは、別名自分史年表といったもので、横軸には「小学生」「中学生」「高校生」「大学1・2年生」「大学3・4年生」「社会人1年」まで。縦軸には「学ぶ」「働く」「家族」「趣味・遊び」「友達」「その他(社会活動など)」と項目が並んでいます。
今までの自分の人生を振り返り、ターニングポイントを探したり、その時その時の気持ちを思い出しながらシートを埋めていくワークを行い、書き出されたことを、今度は2人1組になって言葉にし、伝え合う作業を行いました。言葉にすることによって、より鮮明にその時の自分が頭に蘇ってきたのでしょうか?皆、熱く語り合っていたのが印象的でした。
■未来をプランニングするために「なりたい自分」を具体化する<未来編>
永井さんご自身のシート<未来編>には「横浜のために頑張りたい」「環境問題の最前線で活躍できる職業についていたい」「少しずつ子どもと一緒にボランティア活動に参加してみる」といった言葉が書かれていました。そして、「40代で横浜市議になり、市長を目指します!」という、具体的で素敵な夢も書かれていました!
記入後の2人1組の共有の時間では、参加者も永井さんの話を聞いて刺激を受けたのか、またまた白熱した「未来のプランニング=ライフデザイン」が展開されました。
■仕事も自分の生活も含めたライフデザインで、夢に近づけ!
そして最後はまた、高城さんによるお話。書き出した未来の夢を実現させるために、どんな働き方があるのだろうと考える時間です。
「正規雇用・非正規雇用」
「結婚はいつ誰と?」
「子どもはほしい?いつ?何人?育児はだれがする?」
このように、仕事に限らず自分の生活も含めて将来(ライフキャリア)をデザインしてみることで、夢に到達するヒントが見つけられるかもしれません。つまり、今皆さんが学生生活で取り組んでいる「ボランティア活動」や「地域貢献活動」「サークル活動」も、先の、そのまた先の未来を描いてみることによって、今、この学生時代に取り組む“意味”が見つけられたのではないかと思いました。 (ボランティア支援室・柳本)
ナビゲーター 高城 芳之さん |
大学時代から横浜で活動を行い、卒業後新卒でNPOで働き始める。現在は、横浜市内のNPO・企業・大学関係者で立ち上げた中間支援組織、NPO法人アクションポート横浜の事務局長 |
ゲスト 永井 亮さん |
横浜市立大学では環境ボランティア StepUp↑に所属し、先輩の紹介で「国際青年環境NGO A SEED JAPAN」に出会う。団体では地球温暖化問題解決に向けた活動を行い、金融機関の中で社会貢献性の高い信用金庫で働く。会社員とNPO、2つの立場で日々を過ごしている |