医学教育セミナーとワークショップin横濱
(岐阜大学医学部 医学教育開発研究センター/横浜市立大学特色GP主催)
 2006年10月28日(土),29(日)日程表

 横浜ランドマークタワー 
       横浜市大エクステンションセンター(ランドマークタワー13F)     
【名著セミナー:“名著から学ぶ医のこころ”】



■日時:28日(土)13001700

■場所:横浜市立大学エクステンションセンター
(横浜市みなとみらいランドマークタワー13階)

横浜市大・特色GP主催
「名著セミナー:“名著から学ぶ医のこころ”」

■テキスト:アルベール・カミユ著「ペスト」

■モデレータ:宮原 忍 (NPO法人 名著セミナー理事長)

■サブモデレータ:浜辺達男  志田芳久

■担当学生 医学部医学科1年生 6名

■Title:「ペスト」(LA PESTE)  ■Author:アルベール・カミュ(Albert Camus)
1947年発表
                        

■解題:アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
(amazonより)

外部と全く遮断された都市に流行する疫病、ペストとそれに抗う人々の記録という体裁をとるこの物語は、『異邦人』と並ぶカミュ(Albert Camus;1913-1960)の記念碑的文学ということができる。

■著者紹介:フランス系アルジェリア人。アルジェリア生れ(19131960)。
 フランス人入植者の父が幼時に戦死、不自由な子供時代を送る。高等中学の師の影響で文学に目覚める。アルジェ大学卒業後、新聞記者となり、第2次大戦時は反戦記事を書き活躍。またアマチュア劇団の活動に情熱を注ぐ。1942年『異邦人』が絶賛され、『ペスト』『カリギュラ』等で地位を固めるが、’51年『反抗的人間』を巡りサルトルと論争し、次第に孤立。以後、持病の肺病と闘いつつ、『転落』等を発表。’57年ノーベル文学賞を戦後最年少で受賞。交通事故で死去(amazonより)

●イベントの成果:「名著セミナー」を実施したことにより、参加者はこの様な名著セミナーを通して「生命と倫理」に関わる重要課題を学ぶことの有用性を認識できたと思う。ペストはしばしばナチスを比喩しているといわれるが、もっと巨な悪をしさしているようにも読める。冒頭部分に街の平穏な日常を描く部分が続くが、これは平和な街をペスト騒動が突然襲い、このことにより容易にパニック状態に陥ってしまう人間集団を描いている。医師のリウーの最後の言葉「ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないものであり、数十年の間、家具や下着類の中に眠りつつ生存することができ、部屋や穴倉やトランクやハンカチや反古のなかに、しんぼう強く待ち続けていて、そしておそらくはいつか、人間に不幸と教訓をもたらすために、ペストが再びその鼠どもを呼びさまし、どこかの都市に彼らを死なせに差し向ける日が来るであろうということを。」は、このような恐怖・不条理が再び訪れるということを示唆している。歴史上何度も繰り返されてきた戦争などの無意味さと、同時にこれを避けることは半永久的に難しいということを考えさせ、人間や社会に関する理解を深めることがで きました。

 また、医学生として14世紀に猛威を振るったペストの原因、感染拡大機序、治療法などを学び、同時にペストの流行が魔女狩りにもつながるなど社会にも大きな影響を与えたことを学ぶことができた。


●今後の事業への反映:

 参加者からこのような「名著セミナー」医学科の学生にとって職業倫理などの重要課題を考えさせる上できわめて有用である。したがって、毎年続けるべきであるという意見があった。来年度も類似の取組をしたいと考えている。

参加された方の人数
 「ペスト」担当モデレータ3名。担当学生6名。グレートブックスモデレータ10名。他大学教員3名。一般市民5名。




【セミナー:「The “Barry Bonds Problem” Athletics Meets Biotechnology」】

日時:28日(土)17151830

場所:横浜市立大学エクステンションセンター
       (横浜市みなとみらいランドマークタワー13階)

タイトル:“The Barry Bonds Problem, Athletics Meets Biotechnology?”

■講師:John Ino (カリフォルニア大学SF校歯学部教授)

■内容:Barry Bondのドーピング疑惑から話が始まり、'Level Playing Fieldの観点からIno博士の考え方が示された。Gene dopingの問題について、Genetic Analysis I: Eero Mantyranta, Genetic Analysis II: ACTN3, Gene Genetic Analysis III: Defective Myostatin の順序で話が進められた

セミナーパワーポイントPDF
セミナーハンドアウトPDF



イベントの成果:日本での生命倫理の講義とは異なった視点から倫理的課題が提示され、興味深い内容であった。畜産業界で進められている骨格筋の発達した牛の開発や筋萎縮症治療法の開発に伴いgene dopingも盛んになる可能性も指摘された。参加者からは、治療を望んでいる患者もいるので遺伝子治療の開発は必要ではないかとの意見などがあった。



今後の事業への反映:医学生を対象とした生命倫理あるいは医療倫理の教育のあり方については様々な議論がある。外国の講師を招き別の角度からの考え方を学ぶことも重要であり、今後もこのようなセミナーの企画が必要と考えられる。

 

参加された方の人数:医学部等の教員40名、医学生6名、一般市民8名


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