「生体分子に関する理論的研究」
「DNA結合たんぱく質の理論的研究」
バクテリオファージの溶原化と溶菌誘発を分子レベルで研究するには、リプレッサーたんぱく質とCROたんぱく質がキーとなります。それらは、お互いに50%の相同性を持ち、Helix2とHelix3の間に"Helix-Turn-Helix"という特有のモチーフを有するDNA結合たんぱく質です。
CROたんぱく質に対して分子力場法を用いた基準振動解析を行った結果、
DNAと結合しない単体ではHelix2と3が同方向に揺らぐのに対して、
DNAと結合することによりHelix2と3が逆方向に揺らぐことを見出しました。
この揺らぎが、たんぱく質とDNA鍵穴との結合の
"driving force"になるものと考えられます。
(この計算でも、当時は大型計算機(東京大学)を1時間以上使ったなぁ。。。)
[7] H.
Wako, M. Tachikawa, and A. Ogawa,
"A comparative study of dynamic
structures between phage 434 Cro and repressor proteins by normal mode
analysis",
Proteins, 26,
72-80 (1996).
「DNAデバイスのための理論的研究」
本研究では、分子軌道法を用いて、DNAの電子状態、DNAの基盤への吸着計算を行っています。
DNAの塩基対水素結合やπスタッキングの機構といった基礎的な情報を与え、
最終的にはDNAによる生体電子デバイスの理論設計を目的としています。