Welcome to Department of Molecular Pharmacology & Neurobiology

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Welcome to Department of Molecular Pharmacology & Neurobiology

本研究室では神経伝達とそれを支える神経回路網やシナプスの形成・発達機構について、分子レベルで解明する研究を行っています。新しい神経伝達物質あるいは神経回路形成に必須の分子を同定してきました。これらが実際に生体内でどのように働くのか、脳やその他の病態とどのように関連するのかをもう一つの大きな課題として取り組んでいます。また新しい治療法を見いだすことを狙いとして有望な標的分子の探索も行っています(新しいアトピー性皮膚炎の治療法、ガンやアルツハイマー病のバイオマーカーの開発)。分子から個体、治療法開発へ、また一方でベッドサイドから得た複雑な病態から生物学的課題の探索へという両方向性の取組が交差するところ、これがわが薬理学教室の特徴です。

News & Information

新しい血圧コントロールの仕組みを解明!

 私達は、本学循環器・腎臓・高血圧内科学、循環制御医学教室と共同で、血圧が昼夜で変動する新たな仕組みを明らかにしました。
 血圧は、心臓と血管の働きを通じ、交感神経や副交感神経と呼ばれる自律神経系によってコントロールされることが知られています。我々は、主に交感神経から遊離されるノルアドレナリンという血管収縮物質に対する血管の反応性が、ノルアドレナリンの原料となるドーパというアミノ酸によってコントロールされていることを明らかにしました。
 本成果は、従来の治療法では血圧のコントロールが困難な高血圧症や、それに伴う心疾患、腎疾患の新しい治療法につながることが期待されます。

なお本研究は、米国科学誌『JCI Insight』に掲載されました。

*論文掲載サイト
 https://insight.jci.org/articles/view/90903
*大学HP
 http://www.yokohama-cu.ac.jp/amedrc/news/20170922_goshima.html

神経樹状突起形成の新たな分子機構を解明!

 神経ガイダンス分子セマフォリン3A (Sema3A) は神経回路形成に重要な分子であることがわかっています。この研究は、Sema3Aの新しい細胞内情報伝達分子として、PTPdelta という分子が、Fynというチロシンリン酸化酵素のリン酸化修飾を介して樹状突起の形成を制御していることを初めて明らかにしました。

 この研究は、神経科学の領域で権威のある米国神経科学会の学会誌ジャーナルオブニューロサイエンス(Journal of Neuroscience) に掲載され、表紙の図にも選ばれました(http://www.jneurosci.org/content/37/30.cover-expansion)。

*論文掲載サイト
 http://www.jneurosci.org/content/37/30/7125

双極性気分障害の原因を特定!

 私達は、サンフォード・バーナム・プレビス医学研究所(米国、サンディエゴ)のEvan Snyder博士らと共同で、双極性気分障害の患者さんのiPS細胞の解析から、collapsin response mediator protein 2 (CRMP2) というタンパク質の翻訳後修飾異常を発見しました。
 双極性気分障害とは、気分障害と言われる疾患の中の一つのタイプで、躁と鬱の状態の両方が出現する病態、いわゆる躁鬱病です。この双極性気分障害の患者さんには古くから炭酸リチウムという薬物が使用され、良く効く人とそうでない人がいることが知られていましたが、なぜ効果があるかはよくわかっていませんでした。今回の研究において、疾患特異的iPS細胞を使った実験で、炭酸リチウムが効く双極性気分障害の患者さんの脳では、CRMP2のリン酸化が亢進していること、この亢進は炭酸リチウムで抑えられること、躁病の動物モデルでは、CRMP2 のリン酸化が亢進していること、CRMP2のリン酸化を起こらないようにしたCRMP2S522Aノックインマウスというモデル動物では、躁状態が軽減されること、等を明らかにしました。本研究により、炭酸リチウムが効く双極性障害患者さんではCRMP2のリン酸化修飾異常が病態と相関しており、その異常は炭酸リチウムで抑制されることが分かりました。

なお本研究は、米国科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載されました。

*論文掲載サイト
 http://www.pnas.org/content/early/2017/05/11/1700111114.full

*横浜市立大学ホームページ 掲載記事
 http://www.yokohama-cu.ac.jp/amedrc/news/20170508_goshima.html

*共同研究者・Evan Snyder博士の本研究に関する記事
 http://www.sciencealert.com/finally-scientists-think-they-know-how-lithium-treats-bipolar-disorder

大学院生(修士、博士)を募集中です

オープンラボ(5.26~27開催)は終了しました。
今後の入試日程等については下記をご確認下さい。
http://www.yokohama-cu.ac.jp/admis/graduate/med/gsmed_nittei.html

また、薬理学教室へのお問い合わせはまで。

研究室の見学や大学院受験を考えている方へ

 私達の研究室では、大きく二つの課題で最先端の研究に取り組んでいます。
 研究を行う場合に大切なことは、自分にとって切実な疑問を持つ事、重要な課題に取り組むこと、そして独創性を追究することです。独創性を発揮するには、自らの発見や観察を大事にすること、研究の積み上げによって蓄積した自分達のノウハウを駆使すること、そしてイメージを可能な限り豊かに持つことです。そして大学院生の時代に何よりも大切なことは、このような重要で意義ある研究活動を追究することによって、この教室に集う皆さん自身が、研究の進め方、考え方を身につけることです。
 本研究室で修士・博士の学位を取得された学生さんは、大学等の研究教育機関・病院・製薬・食品・化粧品・試薬機器メーカー・出版・医薬品医療機器総合機構など、様々な分野で活躍しています。私達は、ここに入室をされた学生さん一人一人に責任をもって、この日本のみならず世界に通用する人材として育っていただけるよう誠心誠意、指導したいと考えています。

分子薬理神経生物学教室 教授 五嶋 良郎