<顎変形症>
一般に上顎あるいは下顎が前に伸び過ぎていたり,逆に顎が小さいなどで上下の歯の噛み合わせが大きくずれてしまっていたり,あるいは顔が非対称で歪んでいるような場合などには顎変形症と診断されます.このような状態の患者さまに対しては矯正治療に顎矯正手術(顎の骨を切り,正常なかみ合わせになる位置へ移動させる手術)を組み合わせることで,保険治療が可能になっています.
当科では以下の顎矯正手術を行っています.
- Le Fort I型骨切り術(上顎を移動させる.)
- 下顎枝矢状分割術(下顎を移動させる.プレート固定あり.)
- 下顎枝垂直骨切り術(下顎を移動させる.プレート固定なし.)
- オトガイ形成術(オトガイを前に出したり短くしたりします.)
- 上顎or下顎骨延長術(創内型延長器or創外型延長器で骨を延ばします.)
- 上顎or下顎正中分割術(手術で顎を切った後に延長器で顎を拡げます.)
【当科の治療の特徴】
- 安全・確実な手術:内視鏡やナビゲーションシステムを使用することで,安全かつ確実な顎矯正手術を行っています.
- 術前シミュレーション:ソフトウェアを用いて術前に3次元的なコンピューターシミュレーションを行い,手術計画の立案や患者さまへの治療説明に用いています.複数の術式のシミュレーションを行うことが可能であるため,患者さまの希望に即した術式選択をするようにしています.

プレート:骨切り後に骨をプレートで固定しますが,通常は強度の強いチタンプレート(術後1年程度で除去手術をすることが多い)が使用されることが多いですが,近年の新しい材料の開発により吸収性プレートが登場しており,プレートの除去の必要のない吸収性プレート(1年程度で自然に吸収される)も積極的に使用し,1回の入院・手術で治療しています(骨の移動量などによってはチタンプレートを選択する場合もあります).

吸収性プレート
術後管理:顎間固定(ワイヤー)は行いません.ゴム牽引のみを行っています.経管栄養(鼻からチューブを入れて栄養剤を胃内に注入する)は術後数日とし,口の中のドレーンが抜けた後(術後2日目程度)より食事(流動食やお粥)を開始しています.