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診療内容・特色・主な対象疾患
多岐にわたる口腔領域の疾患に対して、先進的な医療技術を駆使し、安全で高度な医療を提供することを目標として診療を行っています。
舌がん・歯肉がんなどの口腔がん、インプラント義歯、顎骨や軟組織の良性腫瘍、顎顔面骨折などの外傷、上顎前突症・下顎前突症などの顎変形症、顎顔面の急性炎症、顎関節症、粘膜疾患、口腔心身症などに豊富な経験を有し、神奈川県における歯科・口腔外科診療の中心的役割を果たしています。
口腔がん治療:
特筆すべきこととして、口腔がんに対して最先端の医療技術である超選択的動注化学療法による治療を行っています。この方法はがんに血液を供給している動脈にカテーテルを挿入して抗がん剤を腫瘍に集中的に注入する方法で、当院では(耳前部の)浅側頭動脈からあるいは(耳介後方の)後頭動脈からカテーテルを挿入する方法を用いています。この方法は大腿動脈からカテーテルを挿入するセルジンガー法と比較すると安全に行うことができます。浅側頭動脈からの動注化学療法は放射線治療と連日の同時併用が可能で、進展がんに対しても高い治療効果を示します。特に、これまで手術以外に有効な治療法が無かった進展がんに対しても、手術を回避し治癒することが可能となった症例もあります。現在、口腔がんに対し浅側頭動脈や後頭動脈からの超選択的動注化学療法を実施できる施設は日本に数施設しかないため、当科には神奈川県にとどまらず全国から紹介の患者さんが来院しています。また、口腔がん治療では超選択的動注化学療法以外にもハイパーサーミア(温熱療法)などの先端的な医療技術を取り入れ、治療成績の向上、治療適応の拡大に努めています。
インプラント義歯:
当科でのインプラント義歯治療は先進医療の承認を受けており、悪性腫瘍の手術・外傷などによる顎骨および歯の欠損によって、通常の義歯では咀嚼機能の回復が難しい場合に適応されています。また当科では、顎骨の量が充分でない患者さんに対し、上顎洞底挙上術、顎堤形成術などの骨の移植手術を行ってからインプラントを埋入することも可能です。これら、骨の移植手術が必要な患者さん、インプラントの埋入本数が多い患者さんに関して入院、全身麻酔下での対応も可能です。また、頬骨インプラント、”ALL-on-4”などの先端的な技法も取り入れて、幅広く患者さんのニーズに対応しています。
低侵襲手術:
最先端の医療技術である内視鏡視下手術、ナビゲーションシステムの手術応用などにより、侵襲の少ない手術を行っています。顎変形症、顎骨骨折、埋伏歯、嚢胞などの手術で傷の小さな、腫れの少ない手術を行うことが可能になっています。
有病者・障害者診療:
全身疾患を有する有病者、障害者、高齢者の口腔ケア、歯科診療にも力を入れており、院内各科との連携の下に全身状態を考慮した診療を行っています。また、必要な際には全身麻酔下での歯科治療も行うことも可能です。
主な治療実績・専門外来・検査等
外来では、平成19年の年間初診患者数は約1,579人、再診患者数は11,213人、一日平均患者数は52人でした。紹介患者率は68.4%で大多数の患者さんが紹介で受診し、特に口腔がんの患者さんは全て紹介であり、年間の新患数が105例でした。入院患者数は282人で、84人が口腔がんの患者さんでした。そのうち超選択的動注化学療法を行った患者さんは47人でした。インプラント義歯関連の入院患者さんは22人で、そのうち16人に上顎洞底挙上術や顎堤形成術などの骨移植術を行いました。全身麻酔下での埋伏歯などの抜歯手術は33例、嚢胞の摘出腫手術は18例、顎変形症の手術は6例でこのうちの多くの手術が内視鏡やナビゲーションシステムを応用した低侵襲手術でした。
腫瘍外来:
口腔がん患者さんを対象とした外来で、入院前は治療前診断、治療計画の検討を行い、入院治療をスムーズに行うための準備をします。PETやMRI、CTなどの最新の診断機器を用いて正確で精密な診断を行い、適切な治療計画の立案を行います。診断および治療計画の立案は当院放射線科、形成外科と連携をとって行なっており、入院後の連携治療につなげています。また、当科では超選択的動注化学療法など最先端の医療技術を取り入れているため、セカンドオピニオンを求めて多くの口腔がんの患者さんが来院しています。これらの患者さんへの対応もセカンドオピニオン外来とともにこの外来で行っています。
入院治療終了後は経過観察を行うだけでなく、術後の摂食嚥下障害、構音機能障害といった機能障害の回復に関する治療も行っています。また、入院によらない、患者さんの負担の少ない治療法として外来化学療法も行われています。
インプラント義歯外来:
インプラント義歯を希望する患者さんにはまず、治療前のコンサルテーション、術前の評価、治療法の検討を行います。術前の評価は、全例でCT画像を用いたコンピュータープログラムによるシュミレーションを行い、インプラント前手術の必要性の検討、インプラント体の選択、埋入本数・位置の検討などを行っています。使用するインプラントシステムは様々のシステムをとり入れ症例によって最適なものを選択しています。また、インプラントの埋入、上部構造の作成、治療後のメンテナンスを一貫して行うことによって予知性の高い治療を行うことが可能な体制が作られています。
口腔ケア外来/抗がん剤口内炎外来
入院患者さまに対して口腔内保清の評価・アドバイスや専門的口腔ケアをご提供することで、ADLの低下した患者さまの誤嚥性肺炎の予防、造血幹細胞移植時の口腔内の感染症予防や集中治療室などでの人工呼吸器関連の肺炎などの予防を行っております。また入院・外来患者さまに対する抗がん剤治療に伴う口内炎を中心とした口腔内合併症の予防と治療を行っております。
顎変形症・矯正歯科外来
顎変形症の患者さんに対しては術前・術後の矯正治療を院内でも行い、一貫した治療を行うことが可能です。これらの矯正治療は歯科矯正の専門医が対応しています。もちろん他院で矯正治療を行い、手術のみを当院で行うことも可能です。術前の評価は最新のコンピューターシュミレーションシステムをとりいれており、様々な予測が可能な体制を整えています。手術は最先端の医療技術である内視鏡視下手術、ナビゲーションシステムを応用し、正確で侵襲の少ない手術を行っています。