略 歴


 近影:後藤隆久教授
 (横浜市立大学大学院医学研究科 生体制御・麻酔科学)
◇ 専門分野
 麻酔科学
  日本麻酔科学会指導医 
  アメリカ麻酔科認定医
  アメリカ集中治療認定医

◇ 経歴
 1987 東京大学卒業、
     帝京大学医学部附属市原病院麻酔科研修医
 1988 マサチューセッツ総合病院麻酔科レジデント
     引き続き、集中治療フェロー
 1993 帝京大学医学部附属市原病院麻酔科
 2002 帝京大学医学部麻酔科教授(板橋病院集中治療部)
 2006 横浜大学大学院医学研究科 生体制御・麻酔科学教授

◇ 学会
 日本麻酔科学会代議員、総務委員
 日本臨床麻酔科学会評議員

◇ 趣味
 子どもと遊ぶこと
 経営学の本の乱読
 親父ギャグを朝から連発すること



後藤隆久の 『コレだけは聞いて』


学生さんや研修医の先生方、および麻酔科に興味のある先生方へ

 横浜市立大学医学部麻酔科のホームページにようこそ。
2006年4月1日に赴任いたしました後藤隆久です。横浜市大に来て3年目を迎えました。この伝統あるすばらしい麻酔科と医局にますます手ごたえと愛着を感じています。

 横浜市立大学医学部麻酔科では、総医局員数260名余というスケールメリットを最大に生かし、教育システムの充実と勤務環境の整備に力を入れています。
 後期研修医教育では、後期研修3年の間に、大学附属2病院(福浦および浦舟)、関連病院、専門病院(心臓麻酔、小児麻酔)、集中治療、救急、ペイン、緩和などから複数を選択して効率よくローテーションするシステムを、個々の希望にあわせて入局者全員に提示しています。これは私自身が研修したアメリカのレジデント制度にならったものです。アメリカの麻酔科のレジデントプログラムは、3年間で心臓や小児などの専門分野も含め、幅広い手術麻酔症例を経験させる上、集中治療が必須となっています。医学教育先進国アメリカにおいては、この幅広い研修が、足腰の強い麻酔科専門医を育てるために必要不可欠と考えられているのです。その重要性は、私自身もレジデンシーを終えて日本に帰ってきてから何回も痛感しました。若く、頭も体も柔軟なころに何でも経験しておくと、後年、厳しい状況に追い込まれたとき、きっと役に立ちます。
  横浜市立大学麻酔科では、大学附属2病院だけで1万例、主に神奈川県下の25を超える関連病院全体で5万例以上の症例数があります。これらをフルに活用することで、豊富な症例がさまざまな施設、指導医の下で研修できます。さらに専門分野を強化するため、国立循環器病センターや千葉県こども病院、静岡県立こども病院、帝京大学医学部救命救急センターなどでも医局員が研鑽を積んでいます。(なお、当医局の麻酔科医養成に関する考え方は、メディカルプリンシプル社刊、ドクターズマガジン2007年4月号に取り上げられています。)
 もちろん、後期研修修了後も医師の成長は続きます。私たちの医局では、各人のキャリアアップや人生設計の希望を充分に聞きながら、ひとりひとりを大切にサポートするシステムを確立しています。このために、医局長を初め多くの医局員たちが膨大な労力と時間を費やしてくれます。(詳しくは、総医局長 福山 宏先生が書いた、医学のあゆみ誌掲載、「大学麻酔科の役割と民主的医局運営への取り組み」を参照してください。)

 勤務環境の整備も私たちの大切な仕事です。麻酔科医が職場とする急性期病院はどこも経営が厳しく、余裕がありません。そんな中で、医局員が過長な労働時間や多すぎる当直に陥らないように病院側と交渉するといったことも私たちは行っています。さらに、出産、育児、介護などのためフルタイムで働けなくなった医師たちの勤務継続も支援しています。ちなみに私は昨年より、日本麻酔科学会女性医師キャリア推進ワーキングループのメンバーで、グループ長の山田芳嗣先生(東京大学医学部麻酔科教授で、横浜市大麻酔科における私の前任者)のもと、学会からの提言を起草しています。提言する以上、横浜市大では必ず実現していきます。
 
 研究もがんばっています。研究なんか医者の実力には関係ない、臨床をやって専門医をとればいいという風潮がありますが、ある程度しっかり臨床研修を積んだ後では、研究はとても楽しいし、臨床に役立つものです。なぜなら、現在の医学レベルでわからないこと、どうしようもないことを何とか解決し、明日の自分たちの臨床を改善するのに役立てる作業だからです。実験室で行う基礎的研究だけが研究ではありません。自分の考えた臨床での工夫が本当に有効なのか、誰もが納得する形で示すためには、きちっとした計画でデータをとり、解析するしかありません。後期研修がある程度進んだ後は、研究への参加も歓迎します。
 
 麻酔科医不足は4年前から社会問題としてマスコミ等でも大きく取り上げられていますが、現在も状況は余り変わっていません。神奈川県でも、産婦人科とともに他科に抜きん出て病院常勤医の欠員数の多いのが麻酔科です。また高齢化に伴い、手術件数は今後ますます増えることが、厚労省が平成18年に発表した「医師の需給に関する検討会報告書」で推定されています。それに呼応するように、最近では主要病院が手術件数増加のため手術室を大幅に増築するなど、麻酔科の需要は手術麻酔だけでも大幅に伸びています。その上、集中治療、緩和ケア、救急の需要が新しく生まれています。この社会的ニーズに応えられるだけの医師を、一人ひとり丁寧に育成するのが私たちの使命だと考えています。皆さん、私たちと一緒に働きませんか?興味のある方はどうぞいつでも見学にいらしてください。お待ちしています。








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