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Interview

留学レポート 佐野 大佑 留学レポート 西村 剛志 若手メッセージ 水谷 友美 ママさん耳鼻科医より 葉山 碧

留学レポート 佐野 大佑


2006年12月から2011年6月までアメリカ・テキサス州のHoustonにあるUniversity of Texas, MD Anderson Cancer Center (MDACC) に留学しておりました。まずこのような素晴らしい機会を与えて頂いた教授を始め教室の先生方に御礼申し上げたいと思います。
テキサスというと荒野にサボテンをイメージされる方が多いかと思いますが、Houstonはテキサス州の南東部に位置し、アメリカ南東部に広がる湿地帯に位置するため、非常に高温多湿で知られています。Houstonより海岸部へ走ること一時間弱に日本でも有名なNASAジョンソン宇宙センターがあります(但し打ち上げ場所ではありません)。高温多湿な上に毎年ハリケーンや熱帯低気圧の通り道になることが多い土地ですが、工業都市・ビジネス都市・文化都市として発達しており、全米第三の都市となっています。
MDACCはHouston内にある世界的にも有名なTexas Medical Center内に存在します。MDACCはそのTexas Medical Center内でも最大規模を誇り、複数の建物、キャンパスを持ち、移動にシャトルバスが必要な程です。従業員は2万人弱であり、外国人が非常に多い印象です。アジアからは中国人が圧倒的に多く、日本人は少数派でした。当教室教授の折舘先生もMDACCに2度留学されております。
私が所属していたのはMDACCのDepartment of head and neck surgery(頭頸部外科)内にあるDr. Jeffrey Myersがボスの研究室です。Dr. Myersは3代続く耳鼻咽喉科・頭頸部外科医であり、父親は有名なUniversity of PittsburghのDr. Eugene Myersです。研究に非常に熱心で、DepartmentのDirector of Researchも兼任されています。私が研究室にアプライした際はまだ准教授でしたが、まもなく教授となり、現在では頭頸部癌研究において非常に有名な研究室になりました。
研究室にはDr. Myersの他に独立していないFacultyが3人(中国人とアメリカ人)、テクニシャン2人(中国人とアメリカ人)、大学院生(台湾人)、ポスドク2~3人(私とアメリカ人、短期的に韓国人)、その他毎年頭頸部外科医フェロー、耳鼻科医研修医、医学生等が数ヶ月~2年の期間で所属し研究に取り組んでいました。Dutyは週一回のラボミーティングと研究に関連する雑事のみで、とても研究に専念できる環境であり、色々なプロジェクトに関わる事ができました。
Dr. Myers研究室では頭頸部癌と変異型TP53、Notch1との関連について多くの研究が行われております[1, 2]。私の研究テーマは頭頸部癌の頸部リンパ節転移の機序の解明であり、Dr. Myers研究室では同所性頭頸部癌マウスモデル[3]を用いて数多くの論文発表をする機会がありました[4, 5]。本テーマは帰国後も、Dr. Myersの協力、折舘教授のご指導のもと引き続き継続して研究を行っております。
研究留学では、研究に没頭できる環境、生きた英語の習得は勿論のこと、日本から外に出る事によってしか分からない新しい価値観の構築や新しい友人関係(国内外問わず)、家族との生活の充実等、色々なメリットがあります。臨床・手術から離れる時間が長くなるため、不安に思われる先生も多いかと思いますが、研究に携わり、その機会があるのでしたら、是非研究留学をお勧めしたいと思っています。

[1] Sano D, Xie T, Ow TJ, et al. Disruptive TP53 Mutation is Associated with Aggressive Disease Characteristics in an Orthotopic Murine Model of Oral Tongue Cancer. Clin Cancer Res. 2011 Nov 1;17(21):6658-70.

[2] Agrawal N, Frederick MJ, Pickering CR, et al. Exome sequencing of head and neck squamous cell carcinoma reveals inactivating mutations in NOTCH1. Science. 2011 Aug 26;333(6046):1154-7

[3] Sano D and Myers JN: Xenograft models of head and neck cancers. Head Neck Oncol. 2009 Aug 13;1(1):32.

[4] Sano D, Matsumoto F, Valdecanas DR, et al. Vandetanib Restores Head and Neck Squamous Cell Carcinoma Cells' Sensitivity to Cisplatin and Radiation In Vivo and In Vitro. Clin Cancer Res. 2011 Apr 1;17(7):1815-27.

[5] Sano D, Berlin JM, Pham TT, et al. Noncovalent assembly of targeted carbon nanovectors enables synergistic drug and radiation cancer therapy in vivo. ACS Nano. 2012 Mar 27;6(3):2497-505.



留学レポート 西村 剛志


2000年9月から2003年6月までアメリカのMDアンダーソン癌センターへ留学していました。基礎研究留学であったため仕事の時間は自身の判断で決めることができ,また単身で赴任していたため自由な時間が多く得られました。同時期に留学していた他大学の先生方とは今でも連絡を取り合う関係が続いています。アメリカ人や他国からの留学生とは同様の関係を築くことができなかったことが悔やまれます。現地で生活することでアメリカの良い面(悪い面も)を多く知り,同時に日本と日本人の素晴らしさを実感できたことが今でも大きな収穫です。


若手メッセージ 水谷 友美


入局1年目の水谷友美です。
私が耳鼻咽喉科を志したきっかけは,研修医でローテートした時,とても雰囲気が良く,女性の先生も子育てをしながら働きつづけている姿が,自分の将来の理想像として映ったからです。また,耳鼻咽喉科は,耳,鼻,のどと分野が広く,患者も子供から高齢者まで様々であることが特徴で,興味の幅も大変広がるところに魅力を感じました。手術に関しても,一人で行える小手術から,頭頸部癌などの大きな手術まで多岐に渡るため,入局1年目から執刀する機会を与えて頂くこともあり,モチベーションの維持にも繋がっていると感じます。
入局して1年になりますが,横浜市立大学の耳鼻咽喉科医局は大変明るく,活気があり,とても働きやすい環境だと感じています。周りの先生方も大変親切で,診療の方法から手術に至るまで丁寧に教えて頂き,充実した毎日を過ごしています。
入局を考えている方には,ぜひ見学に来て頂き,実際に雰囲気を感じて頂ければと思います。一緒に耳鼻咽喉科医として働きませんか?


ママさん耳鼻科医より 葉山 碧


出産の時期
出産時期については悩みましたが、私は耳鼻科医として4年目に出産しました。産後は2カ月で院内保育に子供を預けて復帰し、まずは外来メインではじめました。やはり仕事と育児の両立は大変と感じる事も多々ありますが、子供も保育園で楽しんでる様子もあり、他の環境と接することは母子共に刺激となります し、私も仕事を続けて少しずつでも耳鼻科医として学び続けることができることが喜びでもあります。

出産後の苦労、変化
当横浜市大耳鼻咽喉科頭頸部外科教室では、子育てしながらの勤務に配慮してくれて、通常より早めに帰宅させてもらったり、子供の急病の際は早退さ せてもらったりしています。出産前と同じようにすべての仕事をこなしていくのは困難で自分にもどかしくなることもありますが、周囲の方々の理解と協力のおかげで仕事を続けら れているので、本当に感謝しています。

女医さんへのアドバイス
出産を機に仕事をやめてしまう、もしくは辞めざるを得ない状況となってしまった先輩や同僚の先生を多く見てきました。以前上司より、どんな形であれ、細々でも続けていくことが大事、やめたら今までの事が全て無駄になってしまう、と言われた事が印象に残り、今子育 て中も常勤職を続けて奮闘している状態です。耳鼻咽喉科という科は様々な働き方の選択をできる科である為、フルタイムの際は周囲の協力は必要とはなりますが、働きやすい環境にある科であると思います。実際当教室ではフルタイムで働き続け活躍されている女性先輩医師も多く、これから結婚・出産を考えている女性医師には、それぞれの目指す将来像を 見つけられるおすすめな科だと私は思います。

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