活動報告

   学術活動    2019.7.06
 

横浜市立大学附属病院の酒井助教が Shock学会で研究成果を発表しました。

酒井先生がShockで研究成果を発表されました。以下、同行した小川医師からの報告です。


 2019年75日、6日の両日三重県津市で開催されました第34回日本SHOCK学会(会長:三重大学分子病態学島岡要教授)におきまして当教室附属病院所属の酒井和也医師が「敗血症モデルにおけるコクサッキーアデノウイルス受容体と臓器障害の関連について」という演題で会長賞候補演題として発表いたしました。
この日本SHOCK学会は臨床系(救急科・集中治療科・小児科・麻酔科など)・基礎系(分子生物学・薬理学等)それぞれの先生が約150人参加し、SHOCKの病態等につき発表・討論される学会であります。今回は当教室基礎研究部門の成果の発表を含め参加・発表をいたしました。
 酒井和也先生は千里救命センターに国内留学され、20184月に附属病院に赴任されました。昨年秋より敗血症モデルの確立・病態の解明をテーマに掲げ、基礎研究を開始いたしました。基礎研究を0から開始することおよび臨床との両立を忙しい中で行い、非常に興味深い研究結果を出し、今回の発表に至った次第です。先生にとって基礎研究が中心の発表の場であり、今までの臨床中心の発表の場とは空気も異なるような中での発表。前発表者である基礎研究の専門家の方々の発表および座長・会場からの厳しい質問が飛ぶ中で、非常に緊張していたであろう思います。
 
 実際に始まってみると堂々と見事に自分の成果および考察に関して発表しておりました。会場からの質問にも堂々と答え、また座長・会場からのアドバイスも多数いただき、非常に酒井和也先生にとっていい経験であったのではないかと思います。残念ながら会長賞は逃しましたが、座長・会場からは新規性のある研究ということで多数の方々から興味を持っていただけたと確信しております。今回いただいた質問・アドバイスを元にさらなる敗血症による臓器障害についての構想が広がりました。
 
 この学会では、日本救急医学会の単位となります救急科領域講習会「ECMOの基礎から応用まで:ARDSの治療戦略」という演題で三重大学救急災害医学今井寛先生がご講演され、さらに「体温とDIC(血液凝固線溶障害)」や「粘液免疫」などの特別講演、DICARDSに関する最新の研究についての演題を拝聴することができ、非常に有意義な時間を過ごしました。
当学会ではさらにたくさんの出会いがありました。やはり全国の救急医学教室を見てみても基礎研究に力を入れている教室はまだ少なく、SHOCK学会にような学会に出席されている先生方はみなさん積極的に知り合いになり、互いの状況についての話なども行いました。今後各大学救急医学教室と連絡を取り、また共同研究等も進めていければと考えております。
 
 今回の学会には、20194月から医学部リサーチクラークシップで当基礎研究に配属されている医学部4年生を同行させ、学会に参加し、学会とはどのようなものなのか、他大学の同じ医学生が堂々と発表している姿、酒井和也先生の発表を拝聴し、非常に有意義な時間を過ごし、また他大学の医学生と交流ができました。
 
 
 今後も基礎研究グループでは基礎研究に関する国内外の関連学会・研究会発表を随時行い、精進およびアピールをして行きたいと思います。基礎研究に興味をお持ちの方もぜひこういう学会に一緒に参加しましょう。

 
 
自身の研究成果を発表する酒井和也医師
 
 
 
 
岐阜大学救急科教室との交流会の模様
 
 
 
 
リサーチクラークシップの医学生とともに