活動報告

 参加報告  2022.10.16

ビッグレスキューかながわに参加しました。

神奈川県主催大規模災害発生時初動対応における防災訓練ビッグレスキューかながわに参加しました。

2022年10月16日開催されました大規模災害発生時初動対応訓練ビッグレスキューかながわに当教室各施設で参加いたしました。


救急医の役割に「災害対応」もあります。
横浜市大救急医学教室の教室員は東日本大震災から熊本地震、茨城の常総水害などの自然災害の現場へ出動し、また迅速な対応が求められる都市型局所災害(3年前に発生した浜急行脱線事故やシーサイドライン逆走事故の多数傷病者発生事案)では消防とともに現場の医療統括なども行ってきました。
 2020年2月に横浜港にやってきた豪華客船ダイヤモンドプリンセス号から700名ものコロナ陽性者が発生した事案では、横浜市内の感染症用入院ベッドよりはるかに多くの患者が出現するという需要と供給の破綻の観点からみればこれも「災害対応」が求められた事案でした。
以後日本国中にコロナが広がるにつれて災害の実働訓練は大部分が中止となっていました。
しかしコロナ第7波を乗り越え、感染予防と災害実働訓練との両立が可能となったことから10月1日には日本全体による災害対応訓練、そして10月16日(日)には神奈川県災害訓練(ビッグレスキュー神奈川)が3年ぶりに実施されました。
 この訓練は県内各地で現場での多数負傷者事案対応訓練(トリアージから現場安定化医療そして病院搬送まで)、救出救助訓練、病院での多数受け入れ訓練などを行うものです。医療部門では県内の神奈川DMAT隊員や米軍医療チーム(横須賀米海軍医療チーム、座間米陸軍医療チーム)ボランティアなど約200名の医療従事者が参加しての訓練となりました。

 
 

 このビッグレスキュー神奈川には教室員からも訓練企画、運営部会員として、あるいは出動神奈川DMAT隊員として、などいろいろな役割を担って多くのメンバーが参加しています。
 このうち、メイン会場となった葉山町では模擬患者30名を動員しての多数傷病者対応現場多機関協働訓練が実施されました。
 ここでは横浜市大センター病院のDMAT隊が現地の赤エリアの診療統括をつとめ、重症患者に対する処置、その情報のとりまとめ、病院搬送順位の決定などを現地本部と連携しながら進めました。
 また今回は多くの米軍医療チームが参加しましたので赤エリアの診療や本部でも日米両国の連携がみられました。現地に視察に訪れた神奈川県知事からもこれらの訓練を「県民の生命を守るもの」として高い評価をいただいています。

 
 
 

 神奈川県でもいつまた災害が発災するかわかりません。「その時」に動ける人材育成も我々横浜市大救急医学教室の使命の一つです。このような大規模実働訓練の反省を生かしてよりより体制整備に尽力してまいります。
 重症患者の治療に加えて「災害医療」に興味がある若手医師の皆様、お気軽に横浜市大救急医学教室までお問い合わせください。