小児症例に関して

小児領域と成人発症との疾患概念の違いと整理

小児科、特に小児外科において慢性偽性腸閉塞はHirschsprung 類縁疾患の中に位置づけられている。小児発症では先天性が多く、難治例が多いことからその認知度は医師の間で高い、この点が成人と大きく異なる。この比較表を表にまとめた。

小児と成人での認識・現状の違い

小児では神経節の異常のあるHirschsprung 病と神経節の異常のないHirschsprung 類縁疾患とに大きく分類する。Hirschsprung 類縁疾患はさらに神経節細胞の数の正常である群と数の減少する群に2つに分類される。神経節細胞の正常群には3つの疾患が知られており(1)生後間もなく発症する慢性特発性偽性腸閉塞症Chronic Idiopathic Intestinal Pseudo-obstrucrion (CIIPs)、(2)出生時より発症の重症型偽性腸閉塞症であるMegacystis Microcolon Intestinal Hypoperistalsis Syndr (MMIHs)、3.罹患範囲も限局され手術により比較的予後良好なSegmental dilatation of intestine などがある。

小児でのHirschsprung 類縁疾患の中でCIIPsは成人の原発性慢性偽性腸閉塞と非常に疾患概念が近いものと考えるが、病気の重症度や、病期の進行スピードなどで異なっている。小児では成人と比較すると病期の進展が早く重症である。またHypogangliosidosisやsegmental dilatation(予後は手術により良好)は成人では存在しないと考えられるが、成人では大腸に限局する慢性大腸限局型偽性腸閉塞の疾患概念が独立して存在することが知られており、成人例での大腸限局型偽性腸閉塞と類似性が示唆される。問題は小児分類でのultra-short segment Hirschsprung病である。この疾患は成人まで何事もなく過ごされる患者がまれにいる。患者は幼少期から頑固な便秘や時として浣腸を常用することもあるが、患者自身が便秘であることの自覚がない(この点は成人発症例と大きく異なる)、この疾患は成人型Hirschsprung病などとも呼ばれるが、症状や、画像上大腸限局型の偽性腸閉塞と酷似するので鑑別が必要である。注腸でのHirschsprung病特有のCaliber Changeや直腸生検でのアセチルコリン陽性細胞の異常、内圧の異常などで鑑別できる。

成人と小児の各消化管機能異常をきたす疾患の対比
図 成人と小児の各消化管機能異常をきたす疾患の対比。
そもそも異なる疾患なので対比が難しいが、概ね対応させるとこうなる。

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